Impressions
DIMMU BORGIR / Puritanical Euphoric Misanthropia (2001)
ノルウェーが誇るシンフォ・ブラックの帝王 DIMMU BORGIR が、遂に邪悪な白塗りメイクから脱却し、その威厳ある佇まいを露にした入魂の 5th。
新メンバーとしてドラマーに元 CRADLE OF FILTH の Nicholas を、ベーシスト兼クリーン・ヴォイス担当として前作でもゲスト参加していた BORKNAGER の Vortex こと Simen Hestnaes を正式に迎え・・・そしてギタリスト Astennu の後任の座にはなんと大物中の大物、OLD MAN'S CHILD の Galder が!!
そんな超スーパー・グループとなった彼らが生み出したこの新作は、その体制に恥じぬ最高品質。絶え間なく鳴り響く絢爛豪華なシンフォニーの呼吸に包まれたミステリアスなブルータル・メタルは、過激極る超絶ブラストとゆとりが細波となって語りかけるメロウなスロー・パートが目まぐるしく交錯する上で Shagrath のカリズマティック・デス・ヴォイスが心に響く、決して一本調子になることなくスリリングに展開する邪悪なる暗黒絵巻。
その重厚長大なのアンチ・クライスト・ワールドは、捉えようによっては Nicholas の如き(苦笑)過剰な贅肉に包まれている感があるが、そこはメタルの攻撃性が聊かも失われていないのでヨシとしよう。
しっかしこのバンド、ハッさせるブレイクの妙による場面転換の取り方が実に巧いね。今回も、切り込んでくるハーモニーを伴ったクリア・ヴォイスや豊潤なツイン・ギター・ハーモニーが見事に上質なコンチェルトの一部として機能していて、ホントいい感じだわ。
ちなみに 4/25 に出る日本盤のボーナストラック "Devil's Path" は、名手 Andy LaRocque (KING DIAMOND) がギター弾いてるらしい・・・ってことはそっちも買わねば。(馬鹿)