Impressions

KEEP OF KALESSIN / Reptilian (2010)

投稿日: 2010/12/20

ノルウェーのイケメン・メロディック・ブラック・メタル・バンド KEEP OF KALESSIN の5thアルバム。

前作 "Kolossus" で見事に爆発させた大衆性は、外界と冥界を繋ぐ回廊にて、ブラック・メタラーとしてのギリギリの淵で立ち留まりながら絶妙なバランスで生み出されていた感があった。が、本作はどうだろう? 一聴して得たのは、その大衆性の強化を避けようと意図的にアーティスティックな方向へと矛先を向けてはみたものの、その結果前作で吉と出ていた聴き易さもブラック・メタルとしての邪悪さも、共に弱まってしまった・・・みたいな中途半端な第一印象。

しかし、着目点はそこではなく、通作して一貫して流れる彩度の低い退廃感こそが KEEP OF KALESSIN の肝なのでは?と自分自身を納得させる方向で(苦笑)本作に触れだすと状況は一変。畏怖すべき何者かの存在を常に感じさせる荘厳な佇まいに前作由来の正統メタル的魅力が交わり、「薄さ」とは一味も二味も違う「淡さ」の中で真摯にドラマを紡ぐこの姿こそが、孤高の“ゲド戦記メタル”としての本領発揮なのではないかと!

というゲド戦記肯定派(マジ)の戯言はさて置き(笑)、聴けば聴くほどにドラマティックな構築美とそれを実現させた個々のメンバーのセンス溢れるプレイにジワジワと盛り上がってくるのは確かデス。特に Obsidian C. (g,synths) はプレイヤーとしてもメチャ懐深くていいね〜。PVでのカメラ目線には、思わず「こっち見んな!」って突っ込みたくなるけどw

満足度 : 84
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