Impressions
南欧の小国、アンドラ公国のプログレッシヴ・メロディック・デス・メタル・バンド PERSEFONE の3rdアルバム。
毎作々々濃密なテクニカル/プログレッシヴ大作で楽しませてくれる彼らが今回テーマとしてチョイスしたのは、なんと我が国「日本」。本作は宮本武蔵の著した兵法書「五輪書」をモチーフに「侍の死生観」を描いており、音的にもそのコンセプトに沿うように随所に和風エッセンスを滲ませたものとなっている事に大きく興味をそそられる。
基盤は、これまでと同様にテクニカル&プログレッシヴなスリルが極上のドラマティカを爆発させる、ヨーロピアンなメロディック・デス・メタル。今回はその随所に日本的な音色/声/フレーズを織り交ぜて「和」の淡い色彩を付加しているのだが、それらの質感からはよくある「外国人が考える“和”に対するやや間違った印象」の影響を感じ取ることは皆無で、入念なリサーチと理解の存在を確信させるその極めて自然な融合っぷりには、驚き(と尊敬)を禁じ得ない。そんな「和テイスト」が有効に機能した幽玄な情景美に漂う“OPETH 度”の高さも、本作の特色の一つだろう。
と色々書きつつ、やはり一番の聴き所は Carlos Lozano Quintanilla & Jordi Gorgues Mateu のギターチームによるネオ=クラシカルな悶絶高速プレイの応酬だ。いや〜この嫌でも CACHOPHONY の名前を思い出させる怒涛の弾き倒し方、ホンット好みです♪ 今回は日本盤ボーナストラック #15 "Warrior" でついにその CACHOPHONY をカヴァー! 当然、全く違和感無し!(嬉)
・・・関係ないけど、もしフィンランド・フェスならぬ「アンドラ公国フェス」とかあったら、出演バンドってきっとこの PERSEFONE だけじゃんねw