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DREAM THEATER / Six Degrees of Inner Turbulence (2002)

投稿日: 2002/01/20

前作 "Metropolis pt 2: Scenes from a Memory" から2年を超える期間を経てのリリースでありながら、その間のライヴ盤リリースやメンバー個々の充実した創作活動のせいかもっと短いスパンで発表されたような感覚を受けるこの DREAM THEATER の 6th アルバムは、なんと2枚組で106分に及ぶ長大なヴォリューム!なのに曲数は全6曲。(笑)

YES "Tales from Topographic Oceans", GENESIS "The Lamb Lies Down on Broadway" そして PINK FLOYD "The Wall"・・・と、プログレッシヴ・ロック・バンドにとっての「2枚組スタジオアルバム」というものはシュールな冒険大作の実験に最適なフォーマットである傾向が非常に高いが、本作もまさにそのパターンにズバリマッチングしている。

DISC ONE で聴けるあらゆる枠組を取っ払ったアグレッシヴかつアバンギャルドな音像は、前2作で顔を出していたカレッジ・チャート・ロック的な穏やかなリラクゼーションやモダンなキャッチーさを大胆に廃して剥き出しの狂気を一切包み隠さない5人の鬩ぎ合いは、言うなれば「究極のオナニー」。今までの作品が「日々のオナニー」だとしたら、本作は「利き手じゃないほうにマニキュアを塗ってさらに血行を止めて感覚を麻痺させての本気のオナニー」だ。

が、そのやりたい放題の火花散るプレイから身を震わす凄みはビシバシと伝わってくるが、フレーズ/アンサンブルの面白みという見地からはうーん、どうでしょう((c)長嶋)グッと来る場面がこれまでになく少ないような。

特に Jordan Rudess については、天上人級のプレーヤである事実は間違いなくその音から迸ってくるものの、全体のムードを左右するような彩色感覚という意味では前任の2人に一歩譲ってるかなぁという感じで、それこそが本作の捉えどころのなさの一因であるような気が猛烈にしている。

とはいえ、"The Glass Prison", "The Great Debate" の13分コンビ(苦笑)には徐々に心を奪われつつあるんだけど。

そして DISC TWO。なんと42分間に亘る(呆)8章仕立てのタイトルトラック "Six Degrees of Inner Turbulence" は、DREAM THEATER がこれまでに見せたことのない一面を垣間見ることのできる壮大なるシンフォ超大作!

持ち味でもある都会的なクールさを控えめに、ある意味辺境ユーロ・ロックに通じる牧歌的で重厚な味わいを醸し出しつつ変幻自在に展開するこの一曲はかなり衝撃的。確かに前記したような「捉えどころのなさ」はこの大曲にも共通して感じる部分があるにはあるけど、端々に凄まじきメランコリーを感じるこの曲に聴く度に新たな悶絶ポイントを発見しながら耽溺できる悦びの一時の心地よさは捨て難いんだよな。

まぁ正直期待していたものとはチョイと異なりつつも、当分は信頼する彼らが提示してきたこの沢山の課題をしゃぶり尽くして楽しく過ごすとするか。

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