初期 WITHIN TEMPTAION のドラマー Ivar de Graaf を中心とするオランダ産ゴシック・メタル・バンド KINGFISHER SKY の2ndアルバム。

清楚系女性シンガー Judith Rijnveld 嬢による欧州の風景を目に浮かばせるような柔和な歌い上げを主軸に、アダルトなヴァイブをプログレッシヴに拡散させていくクリアな音像は、本作から新たに専任女性ヴァイオリン/チェロ奏者 Maaike Peterse 嬢が加入した効果か、前作でも聴かれたトラッド/フォーク風味をより強調した感あり。

ダークな憂い溢れる好ゴシック・メタル・チューン #1 "Multitude"、「WITHIN TEMPTATION が失ってしまった物」をフォーキーな味わいの中に見事に封じ込めた名曲 #2 "Rise from the Flames" といった王道なゴシカルさを発する曲が耳を惹くのは当然ながら、東欧ポンプ・ロック風味とも言える淡い浮遊感を漂わせる #7 "We Love Our Heroes" 〜 #8 "Mushroom Wall" あたりのプログレッシヴな感触の曲々に浸る心地良さもこれまたタマラぬ味わい。

時折ヘヴィに演出しようとする部分に相変わらず微モダンな手法が見られるけど、そこでも決してガツガツとメタらず緻密な有機的アンサンブルの旨味で空間をムーディな穏やかさで彩ってゆく様に、この身は揺らされまくりですわ。いやーマジいいバンドです。