Impressions
英国のメロディアス・ハード・ロック・バンド TEN の約4年半ぶりの9thアルバム。
もはや“Gary Hughes (vo) = TEN”ってことでメンバーの脱退&加入云々はあまり意味を成さないかもしれないが、前作と同じメンバーは John Halliwell (g), Paul Hodson (key) の2人のみで、ギター1名/ベース/ドラムには今回新たな人材を登用。そのうちドラマーはなななんと Mark Zonder (FATES WARNING) !?
そんな新たな血を迎えた事が奏功したのかどうかはわからないけど、本作ではあざといまでにメッロメロな叙情フレーズを(まだまだ長めだけど)極力コンパクトな形でまとめようとする "Far Beyond the World" 以前の作品に通じる魅力が意外にも復活。Gary のマイルドな中音域唱法に積極的に絡む新リード・ギタリスト Neil Fraser が熱く弾きまくる Vinny Burns (ex-DARE, etc.) 的な「火の玉系プレイ」も随所で印象的な聴かせドコロを作るという、前2作の圧倒的なダメさ(笑)が嘘のような充実度の高さが嬉しい。
って、↑は全く期待してなかっただけに若干上ブレ気味な書き様になっちゃってて、実際には惜しいところでカタルシスに手が届かないもどかしさがあったり軽快にポップ・サイドを跳ねる数曲は全く好みじゃなかったりはするんだけど、#1 "Endless Symphony", #3 "Kingdom Come", #5 "Stormwarning", #9 "Destiny" ら主に奇数曲で重厚に舞う殺傷力の高いメロウな叙情美は、芳醇な湿気に包まれた TEN ワールドをたっぷりと堪能させてくれますわ。恒例のパクりも今回は特に気にならんしw