Impressions
NOCTURNAL RITES / The 8th Sin (2007)
スウェディッシュ・メロディック・パワー・メタル・バンド NOCTURNAL RITES の8thアルバムは、バンド史上最高のキャッチーさを持ってその立ち位置を次のステージへと到達せしめん超強力作。
これまで以上にコンパクトなキャッチネスを前面に推し出すと同時に、隠し味的な装飾音を惜しげもなく織り込んだ緻密な作りが瞬間瞬間でゴージャスな風格を放射するミドル・テンポの楽曲群は、とにもかくにも前作でフロントマンとしての“華”の部分を開花させた Jonny Lindqvist (vo) の魅力が完全に大爆発!
今後、必ずや彼らの代表曲になって行くのだろうと確信させられる印象的なメロディを持った #1 "Call Out to the World", #5 "Not Like You"、本作での顕著なトピックでもあるゴシカルなヘヴィネスの導入が大成功の #2 "Never Again", #4 "Tell Me"、そして女性シンガー Carolina Miskovsky 嬢とのデュエットが映える渾身の激泣きバラード #9 "Me" ・・・と、メカニカル一歩手前の強靭プレイがヘヴィ・メタルな高揚感を力強く叩きつける中で、自信に満ち々々た Jonny の42歳のヲサーンならではの(苦笑)セクシーな絶唱がそれと対峙するように剛健なる叙情を吐露する様の前には、本能に誘われるままに拳を天に突き上げ恍惚の表情でシンガロングに興じるのみだ。
その線の細さが懸案だった Nils Norberg のギター・サウンドが、これまでになく太めに録られているのも◎。そんな Nils のギターが泣きまくるアウトロ・インストゥルメンタル #11 "Fools Parade" でラストをドラマティックに締め括る・・・という構成美もニクいね。
(Jun, 16, 2007)