Impressions
イタリアのプログレッシヴ・ゴシック・メタル・バンド NOVEMBRE の6thアルバム。
OPETH 由来のダークな混沌美を白昼夢の如き虚いでアートに浮遊させていく作風こそ近作を継承するものだが、本作は、それを濃いぃにも程があるだろうと呆れるほどの濃密さに煮詰めた、これまでの集大成的な力作となった。
ゴシカルなメランコリー、冷ややかにプログレスするメタル・ヘヴィネス、郷愁を誘うノーマル・ヴォイスが重なる安穏アコースティカ、死臭に満ちた呪詛を放つグロウル&ブラスト・・それらの全要素が無秩序という秩序の中で融合と拡散を繰り返しながら全編を NOVEMBRE 独特のアンビエント感で覆い尽くした楽曲は、アーティスティックな色深度の大きさがなんとも素敵。
それぞれの楽曲の個別のキャラ立ちという意味では正直やや弱いが、リズムと旋律の化学反応がムーディな緩急の波の中で絶妙に操舵する繊細なフックの連続が、曲を追う毎に大きなうねりとなってクライマックスを形成していく様には、打ちのめされること必至だ。
Kiko Loureiro (g/ANGRA) からの影響を公言するイケメン・リード・ギタリスト Massimiliano Pagliuso (g) が紡ぐ流麗なる叙情ギター・ワークも◎。
(Dec, 26, 2007)
満足度 : 89%