Impressions
KALEVALA (КАЛЕВАЛА) / The Cuckoo's Children (Кукушкины дети) (2009)
ロシアはモスクワを本拠とする5人組フォーク・メタル・バンド KALEVALA の1stアルバム。
朗らかな民族色を孕みながら素朴かつ軽快に跳躍する曲々は、紅一点の女性シンガー Kseniya 嬢 (vo/ex-NEVID', BUTTERFLY TEMPLE) のエキセントリックに弾ける溌剌現地語歌唱と専任♂アコーディオン奏者が奏でる哀愁の調べを主軸に展開。アコーディオンの世俗的な音色が響く“飲み会系”な風合いには KORPIKLAANI との共通点が見いだせるが、こちらの KALEVALA の方がよりシンプルに民族音楽の旋律美とロックのヴァイブ/エナジーを融合させてる感じ。
そのシンプルさこそがキモで、4ピース+αという意外と単純な構成のプレーヤ陣によるハード・ロック的アプローチの旨みが生み出す他のパワー・メタル系フォーク・メタル・バンドとは一線を画すアダルトな手練に、終始MYロック本能は刺激されまくりなのです。Nikita Andriyan (g/LETHAL GUEST, ex-NEVID') の若さに似合わぬ(22才だっけな?) Ritchie Blackmore 系プレイも美味しいし♪ もちろん、多くの疾走パートを含むメタリックな要素もしっかりと存在。本作から加入した新ドラマーの高い安定感がタフなヘヴィさを生み出していることも、前作からの大きな向上を感じさせる部分だ。
前作もそうだったけど、やっぱこのバンドはスキャット・パートの民謡メロディの殺傷力がハンパない! Kseniya 嬢 がエネルギッシュに発する解る訳もないロシア語に合わせてハナモゲラで歌い、サビではフォーキーなスキャットに煽られて♪ら〜ら〜♪ななな〜な〜 と郷愁のメロディを追いまくるうちに、我が意識はロシアのはずれの荒くれ酒場にトリップですわ。(笑)