Impressions
NOVEMBERS DOOM / The Pale Haunt Departure (2005)
SOULFLY の Joe Nunez (dr) も在籍する、米国はシカゴ出身のゴシック/ドゥーム=デス・メタル・バンド NOVEMBERS DOOM の5th アルバムです。
これまで、そのストライクなバンド名と Travis Smith の耽美アートワークが非常に気になりつつも、「アメリカのバンド」というただそれだけの(しかし重大な)理由で購入を思い留まっていたのですが(我ながら損な性質ですね…)、この新作は既発の作品以上に評判よさげだったので、初めてチャレンジしてみました。
事前に勝手にイメージしていた耽美な感触は希薄で、隙なくカッチリとまとまった上質なヘヴィネスがクリアな音圧で迫り来る様からは、ゴシックやらドゥームやらという以前に「ハイ・クオリティな普遍的デス・メタル」という印象を強く受けました。
そうはいっても、5~7分台という程好い長さの楽曲の中に重厚なゴシック/ドゥーム風味がしっかりと漂っているのも確かで、特に #6 "The Dead Leaf Echo" ~ #7 "Through a Child's Eyes" ~ #8 "Collapse of the Fallen Throe" という終盤の流れは思わず身を乗り出しそうになる聴き応えがあります。各所で評されているように(特にスローなアコースティック・パートに)OPETH との類似点を感じさせるのも、我々のようにその手の嗜好を持つメイニアにとっては要チェックなポイントとなることでしょう。
ただ、そういったメロディックな部分も、その質感に僅かながら耽美な悶絶感が乏しいために、質の高さに圧倒されこそすれ惜しくも心の芯まで響いてこない・・・というのが、少々残念なところです。
(Mar. 27, 2005)