Impressions
THE FLOWER KINGS / The Rainmaker (2001)
北欧現代プログレッシヴ・ロックの雄 THE FLOWER KINGS の新作が早々と登場。いやー、精力的だなー、Roine Stolt。
冒頭に流れ出す腰の据わったヘヴィなプログレ・リフに、あの地平を照らすカラフルさは何処へ!?と一瞬思ったものの、それはホントに一瞬のこと。以降にしっかりと息づくリリカルな朴訥メロを配した悶絶テクニカル・ロックに一安心。聴き進めるうちにそのヘヴィ風味も美味しく感じるようになったし。
10分以上の曲が3曲もあるっつー相変わらずの超大作主義で、しかもどれだけ目まぐるしくテクニカルに応酬を重ねようとも、決してこちらの息が詰まることのないっつーのは、「演奏しよう」のではなく「表現しよう」としている(そして出来ている!)演奏側が感じているエクスタシーや安堵が、しっかりと聴き手にも伝わっているからなんだろな。
そんな優れた演奏とともに、歌メロ部分の充実も THE FLOWER KINGS の強みで、本作でもあるときは一点を狙い、ある時は広域から包み込んでくるような暖かいメロディの束がプログレッシヴな空気を乗り越えてやって来る様子が、実に心地よいし。
そしてやっぱり耳を捉えるのは、MIDNIGHT SUN でもおなじみのベース・プレイヤ Jonas Reingold のスーパー・プレイ。現在ベース・ギターの演奏を生業とする人間の中では間違いなく最高の部類に入るだろうと何の疑いも無く感じられるほどの凄みに満ちた、彼ならでなの味と共に普遍的に巧さを備えたプレイは、至る所で楽曲のキモとして輝いている。聴き様によっては、彼のソロアルバムつっても全然違和感無いほどにね。(それは言いすぎか/汗)
今回購入したのは、限定の DIGIBOOK 2CD ヴァージョンで、ボーナス・ディスクには6曲のオーディオと2曲のムービーが! 本のような立派な装丁も嬉しいね。
うぅむ、やっぱ秋の夜長は大作だよなぁ~。(しみじみ)