Impressions
TOBIAS SAMMET'S AVANTASIA / The Scarecrow (2008)
ジャーマン・メタル第三世代のリーダー格 EDGUY の看板シンガー Tobias Sammet が主宰するメタル・オペラ・プロジェクト TOBIAS SAMMET'S AVANTASIA の第3弾。
冒頭、#1 "Twisted Mind" での Roy Khan (vo/KAMELOT) の“夜露歌唱”にいきなりミステリアスな異世界に引き込まれはするが、その後は本家 EDGUY の近作でのキャッチーな蛇行に呼応するかのような、前作で垣間見せたヴァラエティ感をさらに大胆に推し進めた作風が連続する印象。
曲によっては「BON JOVI 的」(笑) と揶揄される程のライト感を香らせるなどこれまでのファンタジックかつシンフォニックなメロディック・パワー・メタル色はやや薄めだが、その反面、前述の Roy Khan をはじめとするゲストシンガー陣のパフォーマンスの凄まじさは特筆モノ。
中でもやはり傑出しているのは、#2 "The Scarecrow", #6 "Another Angel Down", #8 "Devil in the Belfry" で聴ける“歌鬼”Jørn Lande (vo/ex-MASTERPLAN, etc.) の圧倒的な存在感。Michael Kiske (vo/ex-HELLOWEEN) の久々の疾走メタル歌唱も Bob Catley (vo/MAGNUM) の燻し銀な旨味も超高いレベルで美味しいんだけど、Jørn の熱唱はッッッとにもう「別次元」としか言いようがないほどに独壇場。そして、それに触発されるように限界に挑戦する Tobias のハイエナジーな歌い上げもやっぱ流石だ。
ただドラム・パートは、今の Eric Singer (dr/KISS, ALICE COOPER, etc.) より前作までの Alex Holzwarth (dr/SIEGES EVEN, PARADOX, RHAPSODY OF FIRE) の方が圧倒的によかったな。
(Feb, 02, 2008)