Impressions
イタリアのエピック・フォーク・メタル・バンド ELVENKING が 3rd アルバムにてめでたく日本盤デビュー。(祝)
前作 "Wyrd" は順当な成長を感じさせつつも少々小奇麗にまとまった小粒な感じが不満点でもあったが、そこで無難っぽい歌唱を聴かせていた Kleid (vo) に代わってデビュー時のシンガー Damnagoras を呼び戻した本作は、その甲斐あってか前作で生まれた垢抜けた整合感(って程でもないか ^o^;)にデビュー時の破天荒なエネルギーを再び注入した「真の成長」を実感させる会心の作となった。
ヴァイオリン&フルート鳴り捲りのフォーキーな息吹が恥ずかしいほどに民謡臭をプンプンと撒き散らすと同時に、当然のように疾走したりキャッチーだったりする明快なメロディック・パワー・メタルの味わいをも打ち出した ELVENKING ならではの特色は本作でも存分に発揮されており、掴みに長けたいきなりのキラー・チューン #1 "Trows Kind"、独特のプログレッシヴな疾走感が心地よい #4 "The Wanderer"、アコースティックなシャッフルがフォークロアに響く #6 "On the Morning Dew" をはじめ全編で聴ける出戻りシンガー Damnagoras の実に味わい深いヘナチョコ・ヴォイス(笑)でドタバタ気味に綴られる強引なメロディの妙には、終始高揚させられっぱなしですわ。
辺境的ですらあるクサレ・フォーク・メタル(苦笑)でありながら、#3 "The Winter Wake", #9 "Rouse Your Dream" らに代表されるように EDGUY にも通じるほどの普遍的な聴き易さを備えていたりするのも、なんともオモロイよなぁ。
ホント、今もっともライヴが見たいバンドの一つなんで、ぜひ頑張って日本に呼んでくださいな、GENCROSS さん。
(Mar. 19, 2006)