Impressions
スペインとフランスの国境はピレネー山脈の山間に位置する「アンドラ公国」なる初聴の小国から飛び出たプログレッシヴ・メロディック・デス・メタル・バンド PERSEFONE のデビュー作。
ピアノが響くクラシカルなイントロ #1 "My Unwithered Shrine" でオォッ!?と乗り出したこの身は、続く #2 "The Whisper of Men" での予想を遥かに上回る凄まじさに完ッ全ッにひっくり返ったっちゅーの。
なぜなら、スピーカーから聴こえてきたブラックな絶叫/ロウなグロウル/豊かなクリーン・ヴォイスという表現を多彩にスイッチするシンフォニックなメロディック・デス・メタルには、アコギ/ピアノが幽玄に響く耽美ゴシック・テイスト、「テクニカル・ロック」と呼びたくなるプログレッシヴなスリル、そして・・・全編これでもかとネオ=クラシカルに弾きまくられる悶絶ギター・ワーク!というMy好みストライクな要素が満載だったのだから!
本作は2002~2003年に録られたデモの商品化ということで、プロダクションのクオリティはソコソコ(とはいえデモ・レベルとは思えぬ高い質感だが)だし、まだまだ未整理でとっ散らかった部分が存在するのも事実だけど、この強引に喩えるならば CHILDREN OF BODOM + OPETH ≒ EMBRACED (!) ってな素晴らし過ぎるスタイルを持った7~10分台中心の大作志向な暗黒ドラマの絶品なるアーティスティックな輝きは、十分にこの PERSEFONE の未来を明るく照らしていると思えるわ。
レコーディング・ラインナップとは異なる最新メンバーで録られた新曲 #7 "The Haunting Of Human's Denial" の、一筋縄ではいかない独創的なオリジナリティも、この後に控えているであろう「真のデビュー作」への期待をイヤでも募らせるね。こーゆーのマジ好きッス!
(Dec. 19, 2004)