Impressions
YNGWIE MALMSTEEN'S RISING FORCE / Unleash the Fury (2005)
Yngwie Malmsteen 約2年半振りの 13th アルバム は、Universal 移籍第一弾。
Yngwie 自身がプレイするグルーヴィーなベースラインと名手 Patrik Johansson (dr) のパワー・ヒットが生む有機的ボトムがロック然とした心地よさを運んでくるワイルドでアグレッシヴな作風は、現在の Yngwie の傍若無人なプレイスタイルには良くマッチしたもので、前作から連投の Doogie White (vo) も、相変わらず淡白さを滲ませながらも精一杯情念を込めたベテランらしい歌唱で意外なほどに健闘。
楽曲的にも、#2 "Revolution", #3 "Winds of War (Invasion)", #16 "Russian Roulette" など一瞬だけど「おっ?」と思わせるメロディを有するモノが点在し、ソロ・パートも総じて超マンネリではありつつも、ここに来て指癖以外のフレーズ/展開を織り込もうという現在の Yngwie にしては意欲的と思える工夫が見られないでもない。
・・・と、超贔屓目に良いところを探した結果得られる「"Attack!"よりは多少はマシ」という印象に果たして何の意味がある? 「下痢便よりは堅めのウンコの方が多少は食べやすい」と同義じゃん。
オレも Yngwie と一才しか違わない立派な(嘘)大人なので、継続することの大変さそして嗜好/スタイルの経年変化は十分に理解できる。だから、もはや "Fire and Ice" 以前(69億歩譲って "Facing the Animal" 以前)の作品と比較したりその再現を期待する気は毛頭ない。
ただ、王者たる Yngwie Malmsteen が永きに亘る先駆者人生で輩出してきた星の数ほどのフォロワー達が遺した数々の作品をふと思い返してみた時に、本作で聴けるプレイ/楽曲/プロダクションの全てがそれらの「模倣作品」に決して勝ってはいないと楽勝で思えたその瞬間に、オリジネーターとしてのその存在を悲観してしまうわけだ。
あぁ、もし #9 "Cherokee Warrior" がなかったら、危うく満足度“0”になっちゃうところだったぜ!(汗)
(Feb. 23, 2005)