Impressions
「日本一の ANVIL メイニア」としても有名な Ritti Danger (dr) 率いる国産サタニック・メタル・バンド SATANICA の3rdアルバム。
その Ritti による堂々たる暴れドラムがリードする地に足の着いたダーク&ヘヴィな重厚リフ、メロディック過ぎない叙情ツイン・ギター、そしてクリアなハイトーンからドスの効いたデス系ダミ声まで器用にこなす実力派シンガー Jonn Universe の歌唱が攻撃的に重りながら MERCYFUL FATE や ANGEL WITCH に通じるオドロオドロし過ぎないメロディックさを伴って迫り来る様には、驚きの本格派な味わいが充満。
Jonn の高音域での響き方が80年代の名古屋に生息していた伝説的国産サタニック・メタル・バンド CROWLEY の Sean (vo) に通じる和物っぽさを感じさせる場面がありつつも、全体を80年代にNEATやMAUSOLEUMらからリリースされていたマイナー洋物メタル群と同様の風合いで完全に包み込んでいるのが凄い。クリアになり過ぎることなくピュア・メタルらしい迫力を封じ込めた「いい意味でのB級プロダクション」も◎だしね。
個人的な想いとしては、そういった風に稀有な洋物っぽさがせっかく備わっているのに、聖飢魔II を思わせる悪魔メイク&コスチュームの所為で「ジャパメタ」だったり「ヘビメタ」だったりするイロモノ方面として敬遠されてしまう恐れがあるのが勿体無いというかなんというか・・・。なんとかそのあたりを乗り越えて、CAULDRON, RAM, IN SOLITUDE らと同じ目線で語られて欲しいという思いが募る好盤デス。
満足度 : 85%