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SONATA ARCTICA / Winterheart's Guild (2003)

投稿日: 2003/02/20

Mikko Harkin (key) が脱退し、シンガー Tony Kakko とゲストの Jens Johansson (!) が鍵盤パートを受け持つことになった 3rd アルバム。

本作では、これまで彼らの魅力として&同時に弱点として諸刃の剣的に存在していた「若さゆえの危うさ」はスッカリ姿を消し、代わって台頭したのは自らこそが欧州メロディック・メタル勢の中心に位置するんだと誇示するかのような、成熟を感じさせる実に凛々とした佇まいだ。

壮麗な疾走に乗って端整に美旋律を重てゆくオープニング・チューン #1 "Abandoned, Pleased, Brainwashed, Exploited" からして見事に SONATA 節で、その後も疾走曲はもちろん、落ち着きのあるミドル・チューン、やや実験的なプログレッシヴな曲、そしてバラード・・・と、ヴァラエティに満ちたメロディック・メタル群は、グッと来るメロディの悶絶な迸りを端々に散りばめた相変わらずのハイ・クオリティな出来・・・。

・・・でも・・・本作ってば、イ、イイッ!と身悶えする箇所も確かに多いんだけど、なぜか醒めた気分で聴き流してしまう瞬間がそれ以上に多かったりするんだよね。それは、イントロらしいイントロが存在しなかったり、ギターはキーボードの後ろでルートのコードを掻き鳴らすだけという「リフがない」という楽曲の創りのために、それなりにフィーチュアされているはずのインストゥルメンタル群のアレンジ/アンサンブルが楽曲のフックに直結していなくて、フックが「歌のメロディ」だけに近い状態に感じられるせいなのかも。

その Tony Kakko の歌唱は、しっとりと伸びやかに歌い上げながら時にダーティな表現も惜しまない堂々としたもので、相変わらず「スタジオでは」実に魅力的。ただ、その歌うメロディがほぼ常にコーラスを纏っているために、主旋律がイマイチ明確に見えにくくなって楽曲自体の焦点をぼやけた物にしているような気もするんだけど・・・。それにこの幾重にも重なるコーラス・パート聴いてると、ライヴで調子が悪いときに下のパートを歌っても聴き手が違和感感じないようにしてあるぢゃねーの?って勘繰りたくなるし。(汗)

あ、あと、なんか曲間のタイミングの加減が自分の体内時計的感覚と上手く噛みあわなくて、なーんか気持ち悪かったりもするんだよね・・・。

と、好きなバンドなだけについつい悪いところに目が行くが、もちろん良いところもたっぷり。#3 "The Cage", #4 "Silver Tongue", #6 "Victoria's Secret", #7 "Champagne Bath" という本作中で気に入っている曲に奇しくも参加している Jens Johansson のさすがの貫禄を漂わす有機プレイは鳥肌モノだし、Jani Liimatainen のスリリングに構築されたテクニカルなソロ・ワークも今回はなかなか大人びたスケールを何気に織り込んじゃったりしてコンパクトながらカナーリそそられるモノに。

まぁ全体的には、安定期ちゅーか過渡期ちゅーか・・・そんな妙に落ち着いた印象を受ける作品になっちゃった感じ。次作で、骸骨剣士だのとっとこハム太郎だのヒドイ言われような(笑)げっ歯類系鍵盤奏者 Henrik Klingenberg (REQUIEM, SILENT VOICES) が正式に参加した効果を期待しつつ、もうちょい聴き込んでみようかな。

そうそう、トレーディング・カードは Tommy だった Yo!
 (Feb. 21, 2003)

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