Impressions

MASTERPLAN / Masterplan (2003)

投稿日: 2003/01/20

HELLOWEEN 解雇の憂き目に遭った Roland Grapow が、盟友 Uli Kusch ら共に踏み出した新たなステップが、この MASTERPLAN

RolandHELLOWEEN での活動で培ったユーロ・パワー・メタルを素地としながら、彼自身のルーツである王道ハード・ロック趣味なテイストを大胆に取り入れたヴァラエティ感のあるハイ=クオリティなサウンドがしっかりと封入された彼らのこのデビュー・アルバムの最大の魅力は、なんといってもシンガーの座に就いた「歌神」Jørn Lande の存在!

いや~、この人の歌唱ったら、やっぱいつ聴いても圧巻の一言だわ。暑苦しいシャウトから爽快なハイトーン、そして渋いウィスパーまでを自由自在に操る圧倒的な歌唱力/表現力を駆使した迫力満点の超絶熱唱の前には、失禁(血尿)&脱糞(コーン入り)の同時テロ攻撃によってパンツの中がモノスゴイことにならざるを得んッス。

ってゆーか、この人選はある意味「反則」だよなぁ・・・。だって、バンドのステータスが彼一人の桁外れのパフォーマンスのせいで明らかに数ランク上昇しちゃってるんだもの・・・って、Jørn Lande 関連作品は全部そうなんだけどさ。(汗)

と書きながらも、実際にはバンド自体の地力もたいしたもの。MILLENIUM 時代のそれを想起させる溌剌とした歌唱が響く素晴らしいオープニング・チューン #1 "Spirit Never Die"、カヴァーか?とクレジットを何度も見直すほど Gary Moore"Out in the Fields" に酷似しつつもこの激唱の魅力の前にはパクリ云々の論議を速攻で終了させて名曲認定せざるを得ない #2 "Kind Hearted Light"、壮麗なシンフォ・アレンジが眩しいヘヴィ&プログレッシヴな #3 "Soulburn"、ゲスト・シンガー Michael KiskeJørn のデュエットが美味しい明快メロディック・パワー #4 "Heroes"Jørn 本領発揮の哀愁ハード・ロック #6 "Through Thick and Thin"、A.O.R. ハード系の風味を生かした #9 "The Kid Rocks On"、キーパー系正統メタルの魅力に溢れた #10 "Sail On"、メロウ・サイドでも行けるのを証明するバラード #11 "When Love Comes Close"・・・と、楽曲の素晴らしい充実度はもちろんのこと、心配だった(失礼/汗)Roland Grapow 自身のプレイが、ヴィブラートの振幅こそ HELLOWEEN 時代よりもマルムス度2割増しなのは置いといて己の技量に合わせてスピードを抑えたメロディックなスタイルを見せているのは事前の予想に反してなかなか好印象だし、楽曲を牽引する Uli Kusch の特徴的な弾けるパワー・ドラミングはやっぱ気持ち良かったりと、プレイ的にもイイ感じ。

ただ、#6 "Through Thick and Thin", #9 "The Kid Rocks On" のような正調な歌ものハード・ロックの風味を生かした楽曲におけるリフ/バッキングのセンスはイマサンで、Jørn Lande のアダルトな歌唱が素晴らしいだけに、その落差が少々気になってしまうのがチョイトばかり残念・・・。

・・・ってのもよく考えたらすげー贅沢だけどね。なんたって、いわゆる「キーパー系」に近い位置にいるバンドが世界最高峰のシンガーを迎えることに成功した、金字塔的作品なんだから!(短命そうだけど/汗) (Jan. 24, 2003)

満足度 : 89
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