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PAIN OF SALVATION / Be (2004)

投稿日: 2004/11/20

孤高のスウェディッシュ・プログレッシャー PAIN OF SALVATION の 5th アルバム。

“Be” という極度にシンプルな語感とそれに相反する根源的で多様な意味合いを持つタイトルから容易に想像出来るとおり、これまたチョー深いアルバムを作ってきた。

稀代の天才 Daniel Gildenlow (vo, g) が人知の及ばぬ狂気の思考回路で構築したのは、驚愕のテクニックを匠の絵筆として描いた「自己の存在意義の探求の旅」の一大心象風景だ。

他の追随を許さぬ極度の突き抜け方のあまり聴き手まで追随することが不可能なのか(汗)、比較的穏やかな空気が支配する作風に惑わされ、正直、最初の何回しかはマターリとした安穏な空気に和んでいるうちに気がつけば終わってる・・・という76分間集中力が続かない状態だった。。。

・・・が、繰り返して聴き進めるうちにナニガナニガ、万華鏡のファインダーの奥で美しく蠢く幾何学模様のように、接触するものの感性や精神状態によって輝き方を変えるかの如き、優美なスリルに包まれた多彩なサウンドが挑む謎解きに、スカーリ夢中ですわ。

#2 “Deus Nova” でアナウンスされる人口増加の様子に比例して鰻登りするテンションが最高潮で解き放たれた瞬間に・・・もう「オレの自己は何処?」ってな旅人モードが見事にON。(笑)

その後は、常人には決して作り得ないフォーキーな風情に眩暈さえ覚える #3 “Imago (Homines Partus)”、ピアノの響きが車窓に流れる美しい山麓の風景と切ない思い出をリンクさせ清らかな涙を零れさす #4 “Pluvius Aestivus”、これぞ P.O.S. 節とも言える優雅なスリルが炸裂するハイライト・チューン #5 “Lilium Cruentus (Deus Nova)”、人声の威力に改めて畏怖の念を抱かざるを得ない #6 “Nauticus (Drifting)”、3部構成でじわじわ盛り上がる QUEEN 真っ青にヌーヴォーなアート・ワルツ #7 “Dea Pecuniae”、穏やかなアコギの爪弾きに載せて各国語で禅問答を問いかける #8 “Vocari Dei”、一転してドゥーミーなヘヴィさがダイナミックに弾ける #9 “Diffidentia (Breaching the Core)”、激しくインセインでサイコティックな狂気の美に包まれた #10 “Nihil Morari”、淡々としたアルペジオの反復が精神を麻痺させる小曲 #11 “Latericius Valete”、パイプオルガンが厳かに響く全てを粛清するかの聖歌 #12 “Omni”、泣きまくるギターが胸を抉るナイーヴなバラード #13 “Iter Impius”、そしてこれまでのテーマを総括するプログレッシヴな醍醐味満載のエスニックなテクニカル・ロック #14 “Martius/Nauticus II”・・・と、テーマも深けりゃ演者の懐を深いヴァラエティに富んだ作風の楽曲群を巡る旅路に酔い痴れるばかり。

単一のバンドとは思えないほどに曲毎に目まぐるしくスタイルを変えながら、終わってみれば不思議なことにこれまでの作品以上に統一感を感じる音像は、渦巻く鬱気を見事に芸術に昇華させた非常に情景的な風合いが心を引っかきまくるッスわ。

追ってリリースされる(んだよね?)DVD 版も超楽しみだ!

 (Nov. 07, 2004)

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