「幻惑の第10惑星」って邦題がナイス。原題はもっとナイス。なんたって電波が飛んでくるってんだから、かなりイッちゃってる。
が、音の方は以外にもまとまったハイクオリティなもので、ある種の驚きがある。基本路線は BLACK SABBATH ~ CATHEDRAL のダイナミックな DOOM 型 HR だが、この ORANGE GOBLIN は一味違う。
この手のバンドに多いダウンな重苦しいリフだけでなく、躍動感溢れるリズムが随所に盛り込まれているため、非常に整理された聴きやすい印象を受けるのは SPIRITUAL BEGGARS に近いスタンスだ。またTrack6からラストTrack9までの流れは圧巻。他のDoom系ではまず味わえない哀愁溢れるメロウなアコースティックギターインスト "Lothlorian" から一流のサバス風ナンバー "Landof Secret Dreams" へ移り、間髪入れずにNWOBHMの色を感じさせるヘヴィなタイトルトラック "Orange Goblin" へ、そして本作を締めくくる "Star Shaped Cloud" のアシッド＆サイケデリックなグルーヴから一転、エンディングの深遠なるアルペジオの美しさ・・・。全体的にオフ気味のスネアの音も良い感じ。