Impressions
スウェーデンのプログレッシヴなメロディック・ダーク・メタル・バンド EVERGREY の 4th アルバム。
しっかりとメロディの輪郭を感じるパワー・メタル然としたベースでありながら、全編を覆い尽くす耽美ゴシック風味の沈痛とさえ言える陰鬱なダーク・フィールは、この EVERGREY 最大の魅力で、相変わらず残念ながら曲単位では決め手に欠けるものの(これがあるから毎回悶絶しながらも惜しくも満足度90%には届かない・・・)、このムードの心地良さが誘う満足感のおかげで毎回買っちゃうんだよな。
否応にも我が「ネオ=クラ耳」を捉えるシンガー兼任ギタリスト Tom S. Englund と Henrik Danhage のギター・チームによる Andy LaRocque (KING DIAMOND/本作では MIX を担当) を髣髴させる美しき構築力が冴えるテクニカルな悶絶ギター・ワーク、そしてその Tom の情念の漢歌唱が激情のメランコリーを描く重厚で壮麗なドラマティック・メタルは、恐るべき完成度を誇った前作 "In Search for Truth" に勝るとも劣らぬ充実を見せている。
心配だった SOILWORK に行ってしまった Sven Karlsson の穴は、後任となる新キーボーディスト Rikard Zander の大健闘によって全く問題なく・・・どころか、前作以上にフィーチュアされた鍵盤アレンジの妙がこの深みある精神世界の色彩を微妙に描き分ける様は、惚れ惚れするほど見事ッスわ。
スタイルは違うけど、音から伝わってくる「葛藤」は PAIN OF SALVATION に通じるものがあるね。いやー、良いバンドだなぁ。
(Apr. 13, 2003)
満足度 : 87%