Impressions

SILENT STREAM OF GODLESS ELEGY / Relic Dances (2005)

投稿日: 2005/04/20

中欧チェコに生息するエスニック・ドゥーム/ゴシック・メタル・バンド SILENT STREAM OF GODLESS ELEGY(バンド名長っ!)の 4th アルバム。

男女vo&男女violin/cello奏者を擁する8人組という編成だけで即買い必至なんだけど(笑)、内容の方もその魅惑の編成が伊達ではない素ン晴らしい充実具合で、オープニング・チューン #1 "Look" のイントロでたおやかな弦楽ハーモニーとヘヴィ・リフがダーク・ヴァイヴをグルーヴィに重ね合わせた瞬間・・・成す術もなく早くも全面降伏ですわ。

♀ヴァイオリン奏者 Petra Novackova タン と♂チェリスト Michal Sykora のコンビに Radosov Music Ensemble なる6人編成の管弦楽アンサンブルを加え、旧チェコスロバキア中部モラビア地方の民俗芸能を伝承する艶やかな弦楽の響きを終始鳴り止ませないそのストイックな辺境民族エッセンスの有り方は ORPHANED LANDLUMSK の名を思い出させる。

それと共に、Pavel Hrncir (♂vo) が吐き出す地を這う罪深きディープ・グロウルを Sabine Edelsbache 嬢 (EDENBRIDGE) をさらに甘く明快にしたかの世間知らずの女教師タイプ(謎)な♀シンガー Hanka Nogolova タンが慈悲深く包み込む、この精神的にヘヴィな音像が、初期 THE 3RD AND THE MORTAL に通じる地下音楽独特の荒涼で幽玄な絶望感に満ちているのが凄いわ。。。

ワンノートの連続に苛立つヘヴィ・リフの上で乱舞まくる悪魔のヴァイオリンが漆黒の恐怖を醸し出す #2 "To Face The End"、穏やかな哀愁と激情の交錯がジワジワと迫り来る #4 "Together"、そしてヘイ!の掛け声とともに民族の暗黒舞踏を伝承する #5 "You Loved The Only Blood" らをはじめとする完全に辺境プログレな楽曲群は、悲哀に溢れた嘆きが際立つ中で時折思いのほかリズミカルだったり希望的なメロディをも見せるが、それさえもが呪詛の儀式の一部かと思えるような呪術的なサウンドに、この身はユラーリと心地よく揺れまくるばかりだ。

ちなみにこの SILENT STREAM OF GODLESS ELEGY、2004年度のチェコのグラミー賞に“Hard'n'Heavy 部門”でノミネートされたらしい。ううむ、チェコ共和国・・・恐るべし!

 (Apr. 08, 2005)

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