Impressions

KEN HENSLEY / Blood on the Highway (2007)

投稿日: 2007/06/20

URIAH HEEP の鍵盤奏者 Ken Hensley の、ソロ名義としては(たぶん)10作目となるスタジオ・アルバム。

70年代末期から80年代初頭にかけて、N.W.O.B.H.M.の裏側でしっかりと生きていたブリティッシュ・ハード・ロック。その本質がたっぷりと息衝く本作を聴く度に、レコードプレーヤーの前に体育座りして30cm×30cmのジャケットの向こう側にある手の届かぬ異世界に思いを馳せていた「ロックが伝説に昇華し得た時代」のアノ頃の青々とした知覚が、時空を超えて魂を直撃する。

とにもかくにも、郷愁に満ちた爽やかな哀感が優しくこの身の奥深くに染み込んでゆく感覚が心地良過ぎるんだけど、その触媒となっているのが主人公 Ken Hensley が今回擁立した Glenn Hughes, John Lawton, Jørn Lande という贅沢なシンガー三人衆の素ン晴らしいパフォーマンス!

“歌神”2人がヤヴァ巧なのは当然として・・・やっぱ Jørn Lande、ホンマ凄過ぎるわこの人。 2人の伝説的シンガーを前に一歩も退かぬ、まるで70年代のカリズマ名シンガーの如き堂々たる「ブリティッシュ・ロック歌唱」は、まさに“歌鬼”の名に恥じぬ圧巻の名演だ。

Jørn が歌う5曲を聴いてて、何故かふと「BON JOVI が目指すべきなのはこの方向では?」と思ったりもしてみたり。うん、マヂ良い作品ですわ。(和)

 (Jun, 19, 2007)

満足度 : 89
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