Picks of the Year - 2004

Albums of the Year

1.
Mabool - The Story of Three Sons of Seven / ORPHANED LAND
8年もの長き年月を乗り越えて届いた、エレツ・イスラエルの歴史/文化/宗教/民族のアイデンティティを3人の英雄の旅路に準えた一大コンセプト・アルバム。深遠なる精神性とミュージシャンシップ/プレイアビリティの比類なき高さを武器に、壮麗かつ壮大に混沌たる激情を浮遊させる様が第六感を刺激する、唯一無二な奇跡の大々傑作。
2.
Temple of Shadows / ANGRA Favorite Track : #6 "The Temple of Hate"
再生への苦難の道を通り過ぎた先に広がったのは、想像しうる次元を遥かに超越した神々が住まう桃源郷。11世紀の宗教文化の重厚な美しさに輝くめくるめく超絶技巧と極限の美麗旋律に、完全にラァーイ・ナァゥッ!
3.
Battle Metal / TURISAS Favorite Track : #3 "Battle Metal"
高らかに吹き鳴らされるバトル・ホーンが誘う高揚は、時空を超えて我がヴァイキング魂を血塗られた荒涼たる戦場へと悦びと共に進軍させる。バトル! バトル! メタル!
4.
Anima Mundi / DIONYSUS
奇跡の復活を果たした由緒正しき北欧メタルの血統が、世紀を超えて再度爆発させた悶絶なる激震。陰陽を彷徨うクラシカル・ドラマから、潤いを湛えた情感が我が清き涙と共に止め処なく溢れ出る・・・。
5.
Invisible Circles / AFTER FOREVER Favorite Track : #3 "Between Love and Fire"
耽美なシンフォ・ゴシック装束のはだけた胸元からこぼれる、真性ヘヴィ・メタルな鋼の誓い。暗黒の咆哮と艶やかで優美な女声が鬩ぎ合う緻密な叙情ドラマは、近年類を見ない圧倒的な完成度だ。
6.
Wintersun / WINTERSUN Favorite Track : #2 "Winter Madness"
凍てつく極北の空に漂う蒼き太陽が、狂気の慟哭を冷たく照らし出す。荒れ狂う暗黒慕情を気高く輝かせる怒涛の悶絶ネオ=クラシカル波状攻撃の前には言葉すら失う!
7.
Nattfodd / FINNTROLL
Teemu "Somnium" Raimoranta (g) の死という有り得ない悲劇を撲殺せんとする強靭な原始的体力が結実した、入魂の悶絶ポルカ・エクスプロージョン。弔いの杯を掲げる酔いどれトロール達の宴は今宵も続く。
8.
The Silent Force / WITHIN TEMPTATION Favorite Track : #4 "Stand My Ground"
4年の歳月が彼らに与え給うたのは、コンテンポラリなワールド・アーティストとしての堂々たる佇まい。一寸の狂いもなく見事に鋳造された完璧なるモダン・クラシックの芯に幽玄たるケルティック・フォークロアが息衝く完璧なる逸品。
9.
Glory Thy Name / DIVINEFIRE
暗黒を疾走したメタル・シンフォニーが今ここに果たした奇跡の帰還が、鬼気迫る禍々しさと共に気高き本流ネオ=クラシカル・メタルを神々しき焔で包み込む。DIVINEFIRE・・・汝の御名に栄光あれ!
10.
The Book of Heavy Metal / DREAM EVIL Favorite Track : #1 "The Enemy"
♪Metaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaalllllllll !!!!!!
11.
Misplaced / DGM
成熟を超越した更なる進化。プログレッシヴな基礎体力の鍛錬が、5作目にして見事に楽曲と完全に結実。悶々たる超絶技巧のスリルを旋律美とスピードに昇華させることに成功した最高傑作の誕生に拍手。

Tunes of the Year

1.
Battle Metal / TURISAS from "Battle Metal"
立ちはだかる難敵に死を賭して勇猛に挑む勝利への行進。風々に鍛えられし武器を死者の舞う天空に高らかに掲げ、いま鬨の声を上げよ! Battle! Battle Metal!!
2.
Winter Madness / WINTERSUN from "Wintersun"
暗き厳冬の氷原に狂気を孕んで激しく吹き荒む風雪が、時の谷の彼方から押し寄せる悶絶ネオ=クラシカル魂の燃え盛る熱気に溶かされ、水晶の様に輝く様には息を呑むばかり!
3.
The Temple of Hate / ANGRA from "Temple of Shadows"
憎悪の神殿に雄々しく響くゴッド・ヴォイスは、名手 Eduardo Falaschi ですら「たかが Edu ごときが!」と貶されようほどの孤高の極みから、ドラマティック・メタルを統治する。Right now!!
4.
Lai Lai Hei / ENSIFERUM from "Iron"
遥か遠い北の地、火と月の魔法に満ちた宴に響くヴァイキング達の歌声は、銀狼の遠吠えに乗って炎の言霊となり夜空に悲壮なる決意を描く。LAI LAI HEI!
5.
Ravenheart / XANDRIA from "Ravenheart"
麗しき赤毛の天女が独白する忘れられた運命の愛憎。爪弾かれる弦に共鳴して震える可憐な歌声の主は、羽ばたく黒い翼に希望を託して今日も朽ち果てた城壁にその身を寄せる・・・。
6.
Between Love and Fire / AFTER FOREVER from "Invisible Circles"
驚愕の表現力を持つ歌姫 Floor 嬢が、愛と炎の間に揺れる人生そして夢をふくよかな極上歌唱で歌い上げる激情のドラマ。ゴシックとメタルの境界をプログレッシヴな赤い糸で結んだ、名演中の名演。
7.
The Piper Never Dies / EDGUY from "Hellfire Club"
幻惑を誘われるのは、ハーメルンの笛吹きが暗がりから奏でる約束のメロディー・・・ではなく、若々しくも地に足の着いたダイナミックなへヴィ・メタル・ドライヴ。See Babylon Arise!
8.
The Enemy / DREAM EVIL from "The Book of Heavy Metal"
♪Metaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaalllllllll !!!!!!
9.
Wish I had an Angel / NIGHTWISH from "Once"
清艶天使 Tarja のエンジェリックな吐息と闇の野獣 Marco の強靭なシンギングが絶妙のコントラストで描く残酷な愛の形。「超ビッグ・アーティスト、NIGHTWISH」の面目躍如の堂々たる佳曲。
10.
Stand My Ground / WITHIN TEMPTATION from "The Silent Force"
極度の成長が生んだ流行化への心配は完全に杞憂だった。高次元のポピュラリティを身に付けながらも王道ゴシック・メタルの耽美な味わいを決して失わぬという離れ業を成し遂げた、彼らの代表曲になるだろう名曲誕生。
11.
Nymphetamine Overdose / CRADLE OF FILTH from "Nymphetamine"
贅肉を削ぎ落として魅力を凝縮した凛々しき佇まいの中に、ギラリと輝きを放つ耽美ゴシックの麗しい叙情美。腐食した狂気を掻き分けて響き渡る暗黒歌姫 Liv 嬢の儚い美声が聴く者を魅了する。

Players of the Year

Male Singer: Michele Luppi (VISION DIVINE)
しなやかかつ豊穣な極上歌唱が光る逸材登場。バンドを新しいステージへと推し進めるメロウな哀愁メロハー・テイストは絶品の味わいだ。
Female Singer: Floor Jansen (AFTER FOREVER)
ソプラノの麗しい響きから力強いメタル・シャウトまで多彩な表現を見せる驚異的な力量と圧倒的な存在感の前には、虜になる以外の選択肢は存在しない。
Guitar Player #1: Johnny Öhlin (DIONYSUS)
正確無比でありながら決して機械的にならぬ色気&潤い溢れるプレイと唯一無二の構築センスで見事に起承転結を飛翔させる悶絶ソロ・パートはもちろん、バッキングに埋め込まれた何気ない小技だけでも充分に死ねる。最強。
Guitar Player #2: Diego Reali (DGM)
スピーディかつストレートにシフトさせた新たな作風の中で爆発する、イタリア No.1 マエストロの名に恥じぬ神憑ったかの扇情フィーリングには悶絶必至。
Bass Guitar Player: Marco Hietala (NIGHTWISH)
Tarja の存在の対極に位置する Marco の野太い獣性が、バンドのキャラクタとエンタテインメント性を明確に向上させたその功績は極めて多大だ。
Drum Player: Dirk Verbeuren (YYRKOON)
SCARVE を本拠に、SOILWORK など引き手数多のニュー・ブラスト・ヒーロー。常人離れした手技足技が音圧を伴って迫り来る極上のブルータル・グルーヴは至福の心地よさ。
Keyboard Player: Rikard Zander (EVERGREY)
シンガー Tom の鬱気溢れるメロディック謝罪メタルの情念/苦悩に、より鮮明な色彩を付与する圧倒的な空間処理センスに脱帽。ソロ・パートで垣間見せるテクニシャンぶりも◎。

Cover Art of the Year

Riders of the Apocalypse / DEMONOID Artwork by Gyula Havancsak
旧い世界の終末に姿を現した黙示録の幽騎士達。侵略、戦乱、貧困、飢餓、疫病・・・その邪悪なる「負」のオーラが導くのは如何なる災いなのか・・・。


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