Impressions
フィンランドから突如現れたヴァイキング・ペイガン・バトル・メタル・バンド TURISAS の衝撃のデビュー・アルバム。
上質なシンフォニーに包まれた勇猛に弾けるこの「バトル・メタル」、壮麗たるオーケストラルな響き、笛やヴァイオリン、アコーディオン等の乱舞が撒き散らすフォーキーな味わい、デス/ノーマルの両ヴォイスや絢爛なクワイア、そして一部ゲストの女声も登場して歌われるヴォーカル・パート・・・と、全てのメロディにキャッチーなフックが存在する事実には驚愕を禁じえないわ。
そのうえで、♪ヲ~ヲ~ヲ~やら♪ライラライラ~やら歌いドコロ満載なその壮大なエピック絵巻のスケールたるや、現時点でヴァイキング・メタルの頂点に孤高に鎮座する MOONSORROW を凌駕せんほどなんだもん!
さらに驚かされるのは、そのサウンドが、事前に各所で目にしていたフォト・セッション見られる馬鹿馬鹿しい勇姿(笑)からは想像も出来ない、しっかりとした予算の存在を感じられる、風格と知性に満ちた意外な程に高品質なものだったということ。
そして、これらが机上で考えて構築したのではなく、彼らの体内から遺伝子レヴェルで湧き出てきたモノなのでは?・・・と根拠なく思わせるところが、この TURISAS の凄いところなんだよなぁ。
ヴォーカルの他、笛、民族系打楽器、そしてプログラミング全般を担う中心人物 Warlord Nygad の、ループやサイケデリックなオルガンその他の現代的音色をアクセントとして効果的に使っちゃう伝統からの逸脱を恐れない冒険心にも拍手を送りたいね。もちろんそれを実践するフリチン鍵盤奏者(苦笑)Antti Ventola にも。(笑)
いやはや、マジでヴァイキング・メタル史上に輝く金字塔だコリャ!(^^)
(Aug. 27, 2004)