Impressions
AFTER FOREVER / Remagine (2005)
オランダのゴシッキーなへヴィ・メタル・バンド AFTER FOREVER の 4th アルバム。
圧倒的な歌唱力を誇る♀新シンガー Floor Jansen タンの惚れ惚れせずにはいられない表情豊かな極上歌唱が響くハイ・クオリティな楽曲の数々は、既に完全に「女性ヴォーカルのへヴィ・メタル」とも呼べる明快な手触りながら、壮麗なクワイアとシンフォニー・アレンジ、そしてギタリスト Sander Gommans が吐き出すデス・ヴォイスが生む暗黒系たるゴシック・テイストも健在だ。
素ン晴らし過ぎる内容だった前作 "Invisible Circles" がコンセプト・アルバムとして成功した反動か、本作で聴けるのは新加入の鍵盤奏者 Joost van den Broek 君 (AYREON, STAR ONE, SUN CAGED) が付加する近未来チックなデジ風味も映える、個々の楽曲単位で充実を図ったかの比較的シンプルでキャッチーな作風。
・・・なんだけど、その濃密ながらコンパクトな造りの曲々は、盛り上がりを予感させるメロディ/構成/展開が描く放物線が、クライマックスを迎える前に下降線に転じているかの物足りなさを感じさせているような気がするんだよなぁ・・・。うーむ、それって前作のあまりの出来の良さと、それをフォローする W:O:A 2004 でのギザヤヴァスな至福体験に嫌でも高められてしまった期待がデカ過ぎたせい?
そーんな煮え切らなさを感じつつも、「超渡る世間は鬼ばかりタイプ」(笑)のドラマティックなオープニング・チューン #2 "Come"、EDGUY なイントロがカコイイ #3 "Boundaries are Open"、強力なメロディを持った快活ゴシッカーの佳曲 #5 "Being Everyone" あたりは大好きデス。
(Oct. 08, 2005)