Picks of the Year - 1998

Albums of the Year

1.
Electrified / PINK CREAM 69 Favorite Track : #11 "Gone Again"
復活ではなく、再生。米国指向のヨーロピアンHRの最終形たる本作は、名曲/名演が封じ込められた1998年を代表する作品だ。とにかく David Readman の叙情なる絶唱が素敵すぎ。リリースされて以来、毎日のように聴いた一枚。文句無し!!
2.
Calm Before the Storm / DARE Favorite Track : #4 "Crown of Thorns"
湿りきった哀愁風景の中で咽び泣くギター、歴史に語り掛けるマイルドなヴォーカル・・・。静粛なるの霧の向こうから流れ出る極限の叙情美に、すべてを忘れて心地よく浸りきれる。
3.
The Chemical Wedding / BRUCE DICKINSON Favorite Track : #10 "The Alchemist"
マイNo.1フェヴァリット・シンガーの新境地は、中世古城の地下牢で蠢くが如きの背徳の暗黒叙情絵巻。70年代的世界観に忠実に、精神面からドラマティックに責め立てられる快感は唯一無二。
4.
The Tower / BOB CATLEY
止めど無く溢れ出る哀しきアイリッシュ・メロディの渦に号泣必至の、英国叙情美旋律メロディック・ハードの歴史的名盤候補。枯れることなく流れ出る涙を、今は拭いたくない・・・。
5.
Something Wild / CHILDREN OF BODOM
異端…正統…そんなボーダーラインを無に帰す衝撃。様式「美」を標榜するネオ=クラシカルへの、背徳「美」を武器にした暗黒界からのあまりにも強烈な回答。・・・ヴフゥッ! イヤァッ! カッコ良すぎだ!
6.
America / MARA
テクニカル・プログレッシヴ・メタルのスリルと、都会派 AOR の柔和な軽やかさが見事に融合した類い稀なる逸品。都会の雑踏に舞う悲哀に満ちた魂の旋律が、荒んだ心を優しく包む。
7.
Fireworks / ANGRA Favorite Track : #3 "Lisbon"
噴出する信じがたいほどのエナジーと対比する穏やかな横顔が、これまで以上の憂いをもたらす。豪快さと情感を増して襲いかかる繊細なギタートーンが、幾重にも折り重なる様は圧巻の一言。
8.
Into the Electric Castle / AYREON
聴く度に大作映画を鑑賞するかのように没頭してしまう、時空を超えた一代叙事詩。往年のシンフォ・プログレとハード・ロックを巧く纏め上げた、感動的フレーズ満載の名盤。
9.
...from a Bleeding Heart / BESEECH
魂を震わす弦楽とナイーブなフィメール・ヴォイスの間隙を縫うように心の襞に分け入ってくる男の哀愁を湛えた低音ヴォイス。暗黒の世界の「歌心」ここに極まれり。
10.
Amorous Anathema / EMBRACED
ピアノ&シンセの2人の鍵盤奏者による怒涛の哀愁美旋律が壁となって聴くものを圧倒する。むせ返るような叙情美とテクニカルな構築美を併せ持った、泣きまた泣きの暴虐の暗黒世界。
11.
Symphony of Enchanted Lands / RHAPSODY Favorite Track : #1〜2 "Epicus Furor ~ Emerald Sword"
剣と魔法とドラゴンの世界を見事に表現した、究極にシンフォニックで勇壮なドラマティック・メタル・オペラは、クサメタル愛好家のアドレナリンを瞬間に沸点まで上昇させる破壊力!

Tunes of the Year

1.
Gone Again / PINK CREAM 69 from "Electrified"
David Readman の男の哀愁が炸裂するこの名バラードは、決してマイナー・スケール一辺倒の激泣きソングではないが、清々しいさわやかな泣きの至上の心地よさを体験させてくれる。絶品! 同時に、Shame, そして Burn Your Soul もこの項に追加したいほどにお気に入り。
2.
Crown of Thorns / DARE from "Calm Before the Storm"
豊潤に憂うツイン・ギターの哀愁旋律がツボにはまりまくり。ソフトでありながら深いヴォーカルとのコンビネーションが最高だ。
3.
Heart Song / WESTWORLD from "Westworld"
哀しみに満ちた清廉たる激情こそ、Tony Harnell の真骨頂。泣き泣きのギター、シンフォ・アレンジ、ゴスペルなど総動員で演出するドラマティックさに、見事なまでに完敗。クサ過ぎる歌詞もツボ。
4.
Epicus Furor ~ Emerald Sword / RHAPSODY from "Symphony of Enchanted Lands"
このミステリアスで荘厳な導入イントロからスピード・メタル・オペラの美しきアグレッションになだれ込む完璧な流れは、何度聴いても悶絶!
5.
Lisbon / ANGRA from "Fireworks"
まさに風景的なランドスケープ・メタルの名曲。ギター・ソロ後のシンセが入ってくるところで毎回涙腺が緩んでしまう。エンディング・ソロの叙情の噴射も秀逸。なおギター大洪水の Petrified Eyes も捨てがたい。
6.
The Alchemist / BRUCE DICKINSON from "The Chemical Wedding"
魔力に彩られた不条理の迷宮の出口に待ち受けているのは、極端にヘヴィでありながらも、筆舌に尽くしがたき美しき旋律。本作に封じ込められたテーマに輪廻してゆく、凄まじき展開が鳥肌モノ。
7.
Moonlight / LABYRINTH from "Return to Heaven Denied"
Fabio Lione と共に「イタリアの至宝」に認定したいシンガー Rob Tyrant のしなやかな魅力がこころゆくまで堪能できる、ヨーロピアンな愁い溢れるメロディが美味しいスピードメタルの名曲。
8.
Under the Olive Tree / LANA LANE from "Garden of the Moon"
ゆったりと優雅に浮遊する心地よい導入部から一転、一直線に琴線目掛けてなだれ込んでくる彼女の一番魅力的な声域を生かしきった悲壮感満点の哀愁サビメロが、堪らなくグッと来ちゃう。
9.
Big City Sharks / SEVENTH AVENUE from "Southgate"
久々に登場した典型的(楽曲スタイルとしての)ジャーマン疾走チュ-ンの佳曲。とにかく丁寧に歌い上げるシンガーの張りのある声質が魅力的。ハイトーン・スクリームからギターソロへ突入していく様には、死を賭してヘッドバングせずにはいられない。
10.
Elvenpath / NIGHTWISH from "Angels Fall First"
正統派スウェディッシュ様式チューンに乗るのは、異質なオペラ調ソプラノ女声ヴォーカル。ミスマッチと思いつつも絶妙なこのマッチングが素晴らしい。突如明快なジャーマン的メロディを孕んで疾走を始めるサビも印象的。
11.
Until the Dark / THE SINS OF THY BELOVED from "Lake of Sorrow"
シンセ、弦楽器、ツインギターでゴージャスに彩られた恐ろしいまでに哀しみに満ちた狂おしき死の旋律。極限の暗黒美を綴るロリ声女声ヴォーカルの崇高なる歌声は、セイレンの如く聴くものすべてを魅了する。

Cover Art of the Year

Ill-Natured Spiritual Invasion / OLD MAN'S CHILD Artwork by Kris Verwimp
傷つきながらも戦い続ける、異世界の甲冑の戦士・・・メッチャ弱いんです、こーゆーのに。。。


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