Impressions
一瞬の暗転と共にショウの開始を告げるイントロ "Epicus Furor" が大音量で PA から流れ出ると同時に場内に沸き上がる信じられぬほどの歓声。そして誰からとも無く巻き起こる RHAPSODY コール。興奮が最高潮に達し、幾多の照明がコテコテの装束に凛々しくも身を包んだメンバーを照らすと同時に "Emerald Sword" の最初のギター・リックが炸裂するや、観客全員のエネルギーが大爆発。突き上がる拳、必死のヘッドバング・・・・会場は阿鼻叫喚の狂乱状態に!!
・・・そんなエキサイティングな光景が蜃気楼のように我が網膜に浮かぶ戦慄のオープニングからして、しばし待たされたことなど忘却の彼方へ葬り去るに充分なインパクトだ。前作を遥かに上回る壮大さ(BAL-SAGOTH の牙城に迫る!)で勇壮に展開するめくるめく美旋律の嵐と、Fabio Lione の唯一無二のオペラティックな歌唱は、相変わらず至上の感動を満喫することが可能。前出の冒頭2曲、そして "Wings of Destiny" ~ "The Dark Tower of Abyss" ~ "Riding the Windsof Eternity" と続く超弩級ドラマティックな流れは大量失禁&完全脱糞の心地よ~い感触を約束してくれる。
しかぁーーし!、昨年(97年)度リリースの作品中ではダントツで MY No.1アルバムの座を射止めた血沸き肉踊る歴史的名盤 "Legendary Tales" に続く作品ということで、あまりにも過剰な期待をし過ぎたせいだろうか、この禁断のシンフォニック・ワールドはずいぶんとあっさりと流れ過ぎて行ってしまうように感じるのは私だけ??
CRADLE OF FILTH の "Crueltyand the Beast" 同様に、あまりにも多彩でめまぐるしい展開にそれぞれの曲の生命となる「芯」を掴みにくくなってしまっているのだろうか。ううむ。また、前作では各曲毎に封じ込められていた良質の「アク」が、若干薄れてしまったような気も・・・。贅沢ってやつですかね。