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BESEECH / ...from a Bleeding Heart (1998)

投稿日: 1998/11/20

マニア心を嫌でもくすぐるユーロ・プログレ的雰囲気バリバリのジャケを手に聴き始めるや、冒頭の "Shadowscape" からいきなり溢れ出る「本物の」弦楽器の響きに秒殺だ!
スウェーデンの新鋭 BESEECH がデビュー作である本作 "...From a Bleeding Heart" で体現している「耽美さ」は、今年個人的にヒットしたゴシック・デスである EMBRACED, EVEREVE らが発散する「狂おしき耽美」とは明らかに体臭が違う。
その理由はなんといっても「歌」。この系統のバンドでここまで「歌」にこだわったバンドは皆無だろう。暗黒面を演出するディープ・デス・ヴォイス、荒涼とした風景を想起させる朗々と歌うプログレ的普通声、そしてここぞとばかりに哀しみを振り撒くエンジェリックな女声ヴォーカルが絶妙のコンビネーションで配置されている。ゲスト扱いながら大幅にフィーチュアされた女声ヴォーカルがソレ好きな我々にとって非常に魅力的なのは当然ながら、それだけに頼らないしっかりとした作りの男声Vo.パートまでが哀愁を発散させる様には、驚きを禁じ得ない。
ヘヴィなリフと泣きのギターで構築されたモダン且つキャッチーなヘヴィ・サイドとチェロ、ヴァイオリン、フルート、ピアノといったモノホンの楽器群が得も言えぬヴァイヴを生み出すアコースティック・サイドを行き来しながら淡々と進みつつも、全体ではしっとりとしたウェットな情感に包まれた、まさに「ロマンティック・ゴシック」の味わい。もしかしたらいままでのデス声が収録された作品のなかで唯一、パンピーの彼女とデートをもオシャレにしっぽりと演出可能な一枚しれない。(失敗時の責任はご容赦を/笑)
収録された全10曲は、低音Voの魅力全開のキャッチーな "Rainbowman"、アコースティックな憂いに満ちた切ない "Eagleheart"、激泣きギターが絶品の "Dimension" をはじめどれも魅力的で、それぞれの聴き所を余すところ無く含みつつ見事なまでにキャッチーに纏め上げられている。
この BESEECH、「普通のロックバンドとして」のポテンシャルの高さが手に取るように見て取れ、メジャー級大物の風格まで感じさせる・・・コリャ要チェックだぞ!

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