Impressions
切れ味の鋭い安定したテクニカル・ドラミング、LOWチューニングのヘヴィなギター・リフが織り成す硬質な土台の上を、シンセサイザのモダンな音色とテクニカル且つ流麗なギターフレーズが乱舞する様は、DREAM THEATER 系のプログレッシヴ・テクニカル・メタルと呼んでも全く差し支えない・・・そう地の底から響くデス・ヴォイスを除いては!!
この GODGORY、デス・ヴォイスとブルータルなリフがフューチュアされてはいるものの、果たして「デスメタル」と呼んでよいのかどうか、さっぱり解らない。なんせプレイの質にデスメタル臭が欠片もないのだ。それもそのはず、ギター、キーボード、ベースの3人はメタル寄りのプログレッシブ・ロックバンド WORLD OF SILENCE のメンバーでもあるのだから! 中でもギタリスト Micke Dahlkvist の仄かにネオクラシカル風味を漂わせながら弾きまくるテクニカル・ギターはギター・フェチ垂涎必至の聴き所。
リフ主体で進行する部分(MEGADETH っぽかったりする!)など正直退屈に感じてしまう場面も残念ながら少々見受けられるものの、そんな不満を打ち消すほどに美しい、憂いを孕みながら地平に拡散するメロウパートの哀愁は絶品なんだから堪らない。
96年リリースながらなぜ今まで未聴だったのかが不思議でしょうがない逸品だ。
満足度 : 85%