Impressions
NOVEMBRE って憂いに満ちたバンド名からしてツボに来ちゃうイタリアン・ゴシック=デス・メタルの 4th アルバム。
1曲が5分台なのを除いてはすべて6~8分台という長尺な楽曲群は、時にブラスト・ビートまで顔を出すようなデス・メタルのアグレッションも存分に含みつつ、アコースティック・ギターのムーディな哀感や、やや控えめな絶叫で激情を伝える濁声を割って表出するナカナカに愁いを感じさせるクリア・ヴォイスのハイブリッドな歌唱が醸し出すキャッチーな感触もたっぷりの、悶々としつつも妙な開放感のある非常に垢抜けた佇まい。
Tchaikovsky によるバレエ音楽 "Swan Lake (白鳥の湖)" のフレーズをモチーフにした "Distances" で幕を開け、THE THIRD AND THE MORTAL の2代目シンガー Ann-Marie Edvardsen 嬢のふくよかな歌声をフィーチュアした Kate Bush "Cloudbusting" のカヴァーの清々しさを良いアクセントに折り返して、哀しみ色のスキャットがナイスなプログレッシヴ・フォーキー・チューン "Valentine (almost an instrumental)" を経て、激泣きのデス・バラッド "Conservatory Resonance" で締めくくるっつー泣きに拘った構成がニクいね。
格が違うのを承知で、「イタリアの OPETH」って呼んでいい?
でもなー、前作 "Classica" でネオ=クラシカルな超絶ギターソロを披露していたギタリスト Massimiliano Pagliuso の脱退は正直残念。。。
満足度 : 86%