Impressions
94年にリリースされた、正統派ハードロックをハイセンスなプログレッシブフィーリングで包み込んだ前作 "Poetry and Mortion" は、その緊張感溢れるサウンドと、余りにもキャッチーなメロディの融合が独特の魅力を発散していたが、MARA はそれから4年を経た本作にて、幾分その方向性を変化させたようだ。
その変化を一言で表すとすれば「しっとりした」が適当かなぁ。リフではなくカッティング、そしてピアノ、アコースティックギターによるメロウでアダルトな味付け。とはいえ、間違っても退屈な「アコースティック・アルバム」などではない。スリリングな変拍子も随所で顔を覗かせるし、ハードなギターワークも健在だ。
誤解を恐れずに言うと「キャッチーで AOR な FATES WARNING 」または「PROPHET が2nd" Cycle of the Moon "からそのまま進化したらこうなったろうなぁ」てな感じを受けた。また全体を支配する都会的な感触は、TOTO 的な洗練された AOR アレンジの賜物だろう。
前作が「プログレアレンジのハードポップ」だとしたら本作は「高品質なAORアレンジの哀愁プログレッシブHR」。ワシャ好きだなぁ、こういう路線。マジ凄いアルバムのような気がする。
満足度 : 88%