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BRUCE DICKINSON / The Chemical Wedding (1998)

投稿日: 1998/09/20

ウォ! カッコイイ! いきなり飛び出すウルトラヘヴィで破壊力抜群の強力リフからして前作とは質感がまるで違う。恐ろしく生っぽいリアルでクリアな録音ながら、なぜか重厚で濃密、圧迫感すら感じるドライヴィング・グルーヴなサウンドはとてつもなくヘヴィ。

「ヘヴィネス」の導入というと近年の DIO の悪夢や JUDAS PRIEST の挑戦が頭をよぎるが、本作においてフューチュアされているのはそれらのような「モダン化」ではなく、70年代的世界観に基づいたプログレッシヴ且つドゥーミーなヘヴィさで、ふんだんに盛り込まれた狂おしくも美しき「静」の部分も手伝って、正統派メロディックHM への期待を何ら裏切るものではない。

中世イングランドの森深い古城の地下で蠢くが如きその音像は、喩えるならば BLACK WIDOW 的要素に目覚めた SOLITUDE AETURNUS が超A級に成長した感じ。(・・・って余計にわからんってば ^_^;;) 繊細な哀愁美とケイオティックなヘヴィさの両立という点では KING CRIMSON を引き合いに出す事もできるかもしれないが、いま的確な比喩を思い付いた。これは「弱点を完璧に克服した MERCYFUL FATE 」だ。 MERCYFUL FATE ファンは全員買うべし。(笑)

とはいえ、哀感を伴ったキャッチーなメロディと華麗なツインギターを配した最上級のドラマティックHM であることには間違いなく、通常の「正統派」の許容範囲・・・というよりは前出の味付けによって、より正統派HM としての魅力が増してすらいる。
なにしろ Bruce Dickinson (My most favorite singer!!)の扇情的な歌唱は深遠なるテーマを得てこれまで以上の凄みに溢れ、今や最強のギターコンビとも言える、情炎の泣きを噴出する Roy Z & 思慮深く様式美を構築する Adrian Smith の2人は思わず顔がにやけてしまう美旋律を紡ぎ続けているのだから。

ひたすらオカルティック/ファンタジックに暗黒の寓話世界を追求する歌詞を軸に、アートワーク・音色・楽曲・メロディと、すべてが理想的にパッケージされた素晴らしいコンセプトアルバムだ。

しかし凄い・・・本当に凄い! まるで別世界の異形の生き物のように大粒の鳥肌が全身を包み、ナイアガラ級の滝の様に涙が溢れ出る。本編で顔面に付着したその涙が、これまた凄まじきボーナストラック "Return of the King" での激情のヘッドバンギングによって飛散し、美しき虹を描き出す様は実に壮麗。メタル・ファンで本当によかった! MY 殿堂入り決定。

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