Impressions

TURISAS / The Varangian Way (2007)

投稿日: 2007/07/20

音楽史に燦然と輝く不朽の大傑作 "Battle Metal" を以って我が人生をいろんな意味で180度変貌させたフィンランドのバトル・メタル戦士 TURISAS の3年振りとなる2ndアルバムは、事実上バルト海を支配していたスカンジナヴィア・ヴァイキングが、東欧から現ロシア西方を経てコンスタンティノポリス(現イスタンブール)に辿り着くまでの「探求の旅」を描いた一大スペクタクル巨編。

前作は、血塗られた戦場での戦闘そのものを連想させる高いテンションに包まれていたが、本作ではそれと打って変わった叙事詩的とも言える思慮深さが全編を覆っている。・・・が、それがまたタマランかったりするんですわ!! 大きくフィーチュアされた Warlord Nygard 様 (vo,key,programming) の意外な艶やかさに満ちた驚きのノーマル・ヴォイスが響くそのプログレッシヴな手触りは、まさに大人のための“史実ヴァイキング・メトゥ”。

♪パッパ~!と高らかに船出を告げる勇壮なるオープニング・チューン #1 "To Holmgard and Beyond"DARK LUNACY 真っ青の慟哭が魂を揺さぶる哀愁の露系軍歌メタル #2 "A Portage to the Unknown"、作品中アグレッシヴ&ヘヴィな #3 "Cursed be Iron" 、栄光へ道を壮麗なシンフォニーで描く #4 "Fields of Gold"、ジプシーなフォークロア風味が酒場の喧騒の中で炸裂する #5 "In the Court of Jarisleif"、道中繰り広げられる死を賭した戦いをドラマティックに俯瞰する #6 "Five Hundred and One"(終盤のクワイアに悶絶!)、来たる大円団に向かって大仰極まりなく突き進む映画的な #7 "The Dnieper Rapids"、そして苦難の旅の終着を描くあまりにも壮大なドラマに有り得ない勢いで涙がチョチョ切れまくりの「♪コンスタンティノポリーーーース!!!(号泣)」な終曲 #8 "Miklagard Overture"・・・と全てが完璧に噛みあった奇跡の楽曲群は、航路の先々に伝播する様々な文化を採り入れたかのエスニック&エキゾチックな風合いが超ナイス。これまでサポートながらバンドの最重要キャラクタ(笑)でもあった Olli Vanska (violin) と Lisko (accordion) を正式メンバーに向えた効果もデカいのかも。

いやー、TURISAS、マヂでキてるわ。聴いていると平静を失い、気がついたら思わず自らの上半身を赤と黒の縞々に塗っちゃってるほどにヤヴァい。(苦笑) しばらくはMyメタル・ヒエラルキーの頂点に君臨し続けるだろうな。

そんなわけで、来週末は Wacken で生 TURISAS!(想像しただけで悶死)

 (Jul, 25, 2007)

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