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EDGUY / Hellfire Club (2004)

投稿日: 2004/03/20

ドイツが誇る、ヘヴィ・メタルの伝統と未来を繋ぐ若き先鋒 EDGUY の 6th アルバム。

いやー、とにもかくにも殺人的に「音」がイイんだよね。プロダクションのクオリティという意味でもコレまでの作品とは段違いに最高級なメジャー感たっぷりな仕上がりなんだけど、そんな音質云々を超越したレベルで、音の一粒一粒、歌声の一言一言から「俺たちじゃなきゃダメなんだ!」ってな気概が痛いほど伝わってくる気合い入りまくりな雰囲気に、聴いててスッゴク精神を鼓舞される感じ。

前作 "Mandrake" あたりからいわゆる HELLOWEEN 型ジャーマン・メタルからの脱却しようとする空気が充満してたけど、Tobias Sammet (vo), Dirk Sauer (g) 二人の頭皮の具合と呼応するかのように(苦笑)一皮も二皮も剥けた印象の本作は、その「型」を覆っていた殻を完全に突き破って新世界に突入した感のある紛れも無い「標準型ヘヴィ・メタル」の一つの理想形である立ち姿が凛々しいったりゃありゃしない。

#3 "We don't Need a Hero", #9 "Rise of the Morning Glory", #13 "Children of Steel" という賭死ヘドバン必至の3曲の優れた疾走チューンズももちろん魅力的だけど、ファット&ヘヴィなグルーヴが広がるオープニング・チューン #1 "Mysteria" と、それに続く10分超の大作 #2 "The Piper Never Dies" には震えたッス。

特にオルガンのレトロな響きがアクセントとなっているメランコリック・ヘヴィともいえる後者は、特に激しい場面転換もないのに長尺の楽曲を最後まで長さを感じさせずにじっくり聴かせる地力の高さに驚嘆。ラストのモロ IRON MAIDEN な展開にも心が躍ったし。ライヴで盛り上がりそうなファニーなパーティ・ソング #8 "Lavatory Love Machine" も、イロモノ系ではありながら Enjoyable な余裕が楽しげで聴いてて実に気持ちイイ。

それらに代表される押し並べて出来の良い楽曲の中でまず耳が追うのは、現代メタル界の至宝ともいえる稀代の大々天才シンガー Tobias Sammet の、シアトリカルと表現できそうなほどに大仰な語り口の素晴らしい歌唱。その堂々とし過ぎる程に胸を張った自信に満ち溢れた佇まいは、もし次の IRON MAIDEN のシンガーの座があるならば、そこに座るのはコイツしかいない!と思わせるほどにエネルギッシュな魅力に溢れまくりだ。

そして、それに負けず劣らず本作の充実に貢献していると思われるのが、ナイス・ガイ・ドラマー Felix Bohnke のストロングなドライヴィング・ヒット。振り幅の大きさを匂わせるダイナミックなスティック捌きとアタック感が心地良いバスドラ連打が織り成す抜群の推進力は、今の EDGUY の勢いを具現化する原動力として見事に機能してるな。

とにかく、ツイン・ギター編成の普遍的なヘヴィ・メタル・バンドの、目指す方向/意識が統一されたメンバ全員の気迫を封じ込めたプレイ/魂のこもった歌/それらが奏でる耳を惹く曲・・・の全てが良い音質で楽しめる、シンガーとそれをサポートするバックのバランスが取れた好盤ってことですわ。

そんな中で唯一の失敗と思えるのは・・・地味でシリアスなジャケかなぁ。燃え盛る地獄の焔 -Hellfire- をバックに馬鹿っぽく溌剌と弾けるメンバー・ショットの方が、このアルバムの本質を物語っててジャケに相応しい・・・と思ってるのはオレだけか。(笑)
 (Mar. 11, 2004)

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