Impressions
2002年に奇跡の復活を果たし北欧メタル・ファンを悶絶なる激震で包み込んだ Johnny Öhlin を擁する、スウェディッシュ・メロディック・メタル・バンド DIONYSUS 待望の 2nd アルバム。
デビュー作 "Sign of Truth" で顕著だった NATION 譲りの往年の北欧メタル・テイストはやや控えめに、堅実なヨーロピアン疾走メタルっぷりを増加させたパワフルなバンド・サウンドになったかな?・・・というのが最初一回り聴いた印象だったが、なにがなにが、Johnny Öhlin 自身の手による #4 "Heart is Crying", #06 "What"(作詞の Isaac Isaacsson のクレジットからすると NATION 時代の楽曲?)はもちろん、メイン・ソングライターである Ronny Milianowicz (dr) の楽曲をも彩る一聴して Johnny 独特のテイストだと判る微妙に陰陽を彷徨う移調展開の妙は、しっかりと期待以上の満足感を運んできてくれるぢゃないですか。(嬉)
とにかく、本作でも冴え渡る Johnny Öhlin のクラシカル・ギター・プレイってば・・・本当ツボに入り過ぎだわ。ムラ皆無のフィンガリング&ピッキング・テクと抜群のタイム感を武器にしつつも決して機械的にならないそのプレイから溢れ出る色気と潤いは、マジたまらんッス。
言わずもがなの強力な構築センスも相変わらずで、それだけで見事に起承転結を描くソロ・パートはもちろん、何気ない小技が豊富に埋め込まれた一音の気の緩みもないバッキング・パートだけでも充分に死ねるほどに最強だしね。
かといって、そんな凄まじいギター・プレイだけに頼ってはいないってのがこの DIONYSUS の強みでもあって、コンパクトにまとまったキャッチーなメロディを伸びやかに歌い上げながら #5 "March for Freedom" では MANOWAR 風味の歌いっぷりをも聴かせるシンガー Olaf Hayer の貢献も非常にデカいデス。
でもやっぱり Johnny Öhlin 最強。
(Feb. 03, 2004)