Picks of the Year - 2007

Albums of the Year

1.
The Varangian Way / TURISAS Favorite Track : #8 "Miklagard Overture"
苦難と栄光に満ちた探求の旅路の先々に伝播する様々な文化を採り入れたかの勇壮なエキゾティカに塗れた、大人のための“奇跡の史実ヴァイキング・メトゥ”。今宵も♪コンスタンティノポリィーース!の歌声が夜空に木霊する。
2.
Paradise Lost / SYMPHONY X Favorite Track : #8 "Seven"
ガッツを封じ込めたファットな高圧の下、超絶技巧がシンクロと離散を繰り返しながら生み出す極限のスリルはまさに至高。魅惑のアルバム・タイトルが呼び込む多大な期待に応える最高傑作。
3.
Victory Songs / ENSIFERUM Favorite Track : #3 "Deathbringer from the Sky"
メンバーの装いが布の服から鎖帷子へと強化された事に呼応するように、勇壮なヴァイキング・テイストが大幅に増量。これまでにないシリアスな悲愴感の中、死を賭したシンギングに興じる心地良さは最高。
4.
The 8th Sin / NOCTURNAL RITES Favorite Track : #2 "Never Again"
これまで以上にコンパクトなキャッチネスを前面に推し出し、バンドを次のステージへと到達せしめん強力作。Jonny Lindqvist のセクシーな絶唱が綴る強靭な旋律美に、本能に誘われるままに拳を天に突き上げるのみ。
5.
Fuel for the Fire / ARI KOIVUNEN Favorite Track : #9 "Stay True"
典型的な現代スオミ・メタルの中に息づく往年の叙情派北欧メタル色に瞬殺。哀愁と清涼感が入り交じるあどけなくも力強い歌唱を包む「次期Mr.北欧ヴォイス」とも言えよう逸材オーラにも驚かされる。
6.
Hope / SWALLOW THE SUN Favorite Track : #1 "Hope"
煌びやかな壮麗さが漆黒の沈痛フューネラリズムを包み込む煽情的なエモーションに翻弄されるカタルシスは、狂おしいまでに絶望的。熟達演奏陣によるロックなダイナミズム/グルーヴの存在も素晴らしい。
7.
Gothic Kabbalah / THERION Favorite Track : #2 (Disk 1) "Gothic Kabbalah"
個性的な4人のリード・シンガーが神秘の教義をシアトリカルに語る超大作。壮麗な魅力とキャッチーなフックが雄大に縺れ合う奇跡の濃密アンサンブルの妙は、言葉を失うほどに感動的。
8.
My Winter Storm / TARJA TURUNEN Favorite Track : #8 "Die Alive"
フィンランドが誇る稀代の歌姫、Tarja、復活。粉雪舞う神秘の魔森に吸い込まれてしまうかのダーク・ファンタジックな浮世離れ感は、眩暈がするほど神秘的。NIGHTWISH が失ってしまったものが、ここにある。
9.
The Silhouette / AVA INFERI Favorite Track : #2 "Viola"
スローなフューネラリズムを重く暗く引き摺らせる、呪われた海辺での暗黒儀式。絶望的な暗度の中、ヘヴィ&メロウな光と影を立体的に際立たせる抑揚の妙、そして妖しくも美しいソプラノが描く荒涼なる耽美色に心惹かれる。
10.
Grimen / HARDINGROCK Favorite Track : #2 "Fanitullen"
天才 Ihsahn が仕掛けるゴシカルな神話的叙情詩は、昨今隆盛の兆しを見せるトラッド/フォーク・メタルとは一線を画す強烈な古楽的トラッド風味の、得も言われぬ魔族度の高さが、静かにしかし狂おしく心を躍らせる。
11.
Fiction / DARK TRANQUILLITY Favorite Track : #7 "Empty Me"
ロマンティックな耽美趣味とソリッドなモダン・アグレッションの心地良い切れ味を理想的な配分で見事に結実させることに成功した、文句なしの最高傑作。もう Punish My Heaven を懐かしむ必要はない。

Tunes of the Year

1.
Abyss / CIRCUS MAXIMUS from "Isolate"
緊張感溢れるプログレッシヴな密度の高まりと快活に歌い上げられる明快な旋律美が絡み合いながら哀感を噴出させる、気も狂わんばかりの切なさを封じ込めたキラー・チューン。
2.
Neo / AQUARIA from "Shambala"
ゲストシンガー:影山ヒロノブの激熱日本語メタル歌唱を大々フィーチュアした悶絶疾走チューン。NEO! 輝いて! NEO! 愛と平和は、そこにある!
3.
Høstnat / LUMSK from "Det Vilde Kor"
イノセントな女声を可憐に響かせるたおやかなアコースティカを繊細なるプログレッシヴ・アンサンブルに乗せた、変則リズムの迷宮でまどろむ哀感は見事。美しくもミステリアスな叙情味に、ただただ酔い痴れる。
4.
We're on Our Way / KEN HENSLEY from "Blood on the Highway"
ブリティッシュ・ハードの息衝きの中、歌鬼 Jørn Lande の70年代のカリズマ名シンガーの如き圧巻の名演が時空を超えて魂を直撃。郷愁に満ちた爽やかな哀感が、この身の奥深くに優しく染み込んでゆく・・・。
5.
The Moon / DARK MOOR from "Tarot"
タロットの各カードの意味合いを託した劇的な楽曲群の中、天才 Enrik Garcia の本領発揮たる本格派クラシカル・アンサンブルが最も映える大作。これでもかと畳み掛けられる超ドラマティックな叙情美は圧倒的。
6.
Broshus Ptitsei V Dlan Rassveta (Брошусь Птицей в Длань Рассвета) / NEVID' (НЕВИДЬ) from "Yarga (Ярга)"
新女性シンガー Sirena 嬢を大きくフィーチュアして朴訥なフォークロア・サイドを大胆に強化した新作で一際輝きを放つ、北欧のそれとは一味異なるクッサい民謡臭に満ちたエキゾティックなグルーヴを軽快に弾ませる佳曲。
7.
Everlasting / GALNERYUS from "One for All - All for One"
思わず頬が赤く染まるほどの恥ずかしい日本語詞ながら、従前の英詞曲群の方に違和感が生まれてしまうほどにインパクトの強さは絶大。アァッ!! ヤマビィッ!!
8.
Blood on Your Hands / ARCH ENEMY from "Rise of the Tyrant"
近作のソリッド&ゴシカルな魅力に初期の作品群を支配していた叙情的なドラマ性を大胆に融合させることに成功。ここ数作の煮え切らなさを完全に払拭する狼煙となる強力なオープニング・チューン。 Re-mem-ber!!
9.
Over You / STAN BUSH from "In This Life"
絶品の哀愁を振り撒くこの曲はもちろん、程よくゴージャスに洗練された「産業ロック」ド真ん中な哀愁メロディアス・ハードの理想系な佳曲群には、一切の捨て曲なし。夕暮れドライヴ時に必携。
10.
Forsaken / DREAM THEATER from "Systematic Chaos"
アルバムとしてはやや散漫な印象ながら、このキャッチーなメロウ/ヘヴィ・チューンだけは存在感をギラリと放つ。何気ないオブリガードの端々から強力に漂うネオ=クラシカル臭に悶える。
11.
Lost / KRYPTERIA from "Bloodangel's Cry"
モダンなアグレッション波間から、高貴なる壮麗クワイアの噴出と共に看板コリアン美女シンガー Ji-In Cho 嬢がキャッチーにメランコリーを吐露する印象的な一曲。メジャー・アーティストならではのクリアなクオリティも◎。

Players of the Year

Male Singer: Warlord Nygård 様 (TURISAS)
史上最強のイケメン・ヴァイキング。ジェントルな語り口にも完全に男惚れ。
Female Singer: Tarja Turunen (TARJA)
唯一無二の神々しき気高さを、改めて思い知らされた。やはり別格だ。
Guitar Player #1: Peter Östros (INSANIA)
思わずおちょぼ口必至の神懸ったネオクラ・フレーズの連発に悶えて絶命。
Guitar Player #2: Thorsten Koehne (EDEN'S CURSE)
メロハーには場違いな程にネオ=クラシカル。だ が そ れ が い い 。
Bass Guitar Player: I.C.S. Vortex (DIMMU BORGIR)
見える・・・天上から荒れ果てたこの地に降り注ぐ幾千の流星が見える!
Drum Player: Petter Karlsson (THERION)
ドラマティックな楽曲をさらに劇的に着色するスリリングな手数に悶絶。
Keyboard Player: YUHKI (ALHAMBRA, GALNERYUS)
新旧プログレッシヴ・ロックの全てを消化しきった類稀なるセンスは圧巻。
Accordion Player: Lisko (TURISAS)
武器を使わずとも髑髏で敵を殺傷する最強の半獣半人アコーディオニスト。

Cover Art of the Year

V: Hävitetty / MOONSORROW Artwork by Travis Smith

灯無き煉獄の山の端を紅く染める業火は、無常な時間の流れの中で堕ちし戦士の魂を永遠に燃やし続ける。2曲で56分という超大作志向を見事に描写した名カヴァーアート。


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