Impressions
CIRCUS MAXIMUS / Isolate (2007)
ノルウェーのプログレッシヴ・メタル・バンド CIRCUS MAXIMUS の2ndアルバム。
初期 DREAM THEATER に存在していた全ての要素をベースに、SYMPHONY X のドラマティックなスケール感と KAMELOT のダークに湿る叙情性を見事に融合させることに成功していたデビュー作の大きな衝撃がまだまだ記憶に新しいが、この新作でも更に驚くべき進化を見せている。
その“進化”の肝は、緊張感溢れるプログレッシヴな密度の高まりと平行して大きく増強された、シンガー Michael Eriksen (vo) が快活に歌い上げる明快な旋律美の充実だろう。
激テク・アクスマン Mats Haugen (g) らの手による技巧的圧力がダークな風景的色彩を照射する中、「メロディック」というよりは「メロディアス」と形容したくなるような軽やかなメロハー・テイストが哀感を噴出しながら見事に起承転結を描いていく様の凛々しさは目を瞠るばかりで、気も狂わんばかりの切なさを封じ込めたキラー・チューン #2 "Abyss"、溢れ出す北欧ハード・ポップの息吹に悶絶の #5 "Arrival of Love"、泣き泣きの悲愴感が辺りを包むピアノ・バラッド #6 "Zero"、そして12分超の大作ながら全く長さを感じさせないまさに「CIRCUS MAXIMUS 全部入り」なハイライト #7 "Mouth of Madness"・・・と、各楽曲で見られる CIRCUS MAXIMUS ならではの個性の萌芽が、前作で漂わせていたフォロワーっぽさを完全に消し去っているのが凄い。
彼らのショウを実体験した人によると、ライヴでのパフォーマンスはまだまだとのことだけど、その状態ですらコレなので、今後そのあたりの経験&精進が血肉となってさらにアルバム作りに循環されていったら・・・と想像しただけで、期待でパンツが汚れますwww
(Nov, 05, 2007)