Impressions
DREAM THEATER / Systematic Chaos (2007)
米産プログ・メタル・リーダー DREAM THEATER の2年振りとなる9作目。
オープニングを飾る #1 "In The Presence of Enemies Pt.1" の冒頭部分でいきなり炸裂するテクニカル・アンサンブルに代表される熟達の極みを見せる超絶技巧のスリリングな魅力は些かも変わりなく、そこかしこで爆発する悶絶ポイントの美味しさは今回も格別だ。
が、しかし、その“悶絶ポイント”にこそ、本作の致命的な欠陥がある。悶絶感があくまで“ポイント(点)”として点在するのみで“線”として繋がっていないのだ。ヴォーカル・パートの存在感の無さが主体性の希薄さにアクセルをかけるセルフカヴァー的な楽曲の中では、John Petrucci (g), Mike Portnoy (dr) を中心に繰り出される神技もやや空回り気味。てか、METALLICA 風味だったりするアグレッシヴなパートがことごとくカッコ悪いんだよなぁ。。
何気ないオブリガードの端々から強力に漂うネオ=クラシカル臭に悶えるメロウ・チューン #2 "Forsaken"、そして前々作 "Train of Thought" 収録の "This Dying Soul" を伏線としたモロに OPETH な鬱プログレ #5 "Repentance"(ゲストで Micheal Akerfeldt (OPETH), Steven Wilson (PORCUPINE TREE), Daniel Gildenlow (PAIN OF SALVATION), Jon Anderson (ex-YES), Steve Hogarth (MARILLION), Neal Morse (ex-SPOCK'S BEARD) らが参加)の2曲は意外と気に入ってるんだけどね。
本作を聴いた後で前作 "Octavarium" を聴いたら途轍もない名盤に聴こえたんだけど・・・ハッ!? も、もしかしてこの即効性の低さは、次作が出たときに本作をバックカタログとして買わせることを念頭に置いたものだったりして!?(笑)
(Jun, 09, 2007)