Impressions
TARJA TURUNEN / My Winter Storm (2007)
投稿日: 2007/12/20
メタル大国フィンランドが誇る国民的シンフォニック・メタル・バンド NIGHTWISH を解雇されたシンガー Tarja Turunen のソロ第2弾。昨年リリースされた "Henkays Ikuisuudesta" は企画物のクリスマス・アルバムだったため、実質的には本作をソロ・キャリアのスタートと見るのが妥当だろう。
ここには、NIGHTWISH が失ってしまったものが全てある。神々しさを漂わせる気高い神秘性、そしてそれに誘われ粉雪舞う神秘の魔森に吸い込まれてしまうかのダーク・ファンタジックな浮世離れ感は、稀代のソプラノ・メタル・シンガー Tarja だからこそ発することができるスペシャルなアトモスフィアだ。
復活の狼煙としての役割を完璧に果たすロマンティックなオープニング・チューン #2 "I Walk Alone"、メランコリック・シンフォ・ゴシックの高揚感に満ちた #8 "Die Alive"、あまりの違和感の無さに驚かされる ALICE COOPER の名曲カヴァー #12 "Poison" らのメタル・カラーな楽曲を適所に配置するも、全体を覆うまるで絵本の世界のような静謐なファンタジー色は、キャンドルの灯る厳冬の夜に超ドハマり。
演奏パートの無難なセッション臭さが生む音楽的な物足りなさが全くないかと言えば嘘になるけど、逆にそのあたりの「もっと行ける感」が今後に一層の期待を募らせるデス。
(Dec, 08, 2007)
満足度 : 91%