Impressions

GALNERYUS / One for All - All for One (2007)

投稿日: 2007/11/20

国産メロディック・パワー・メタル・バンド GALNERYUS の4thアルバムである本作の最大のトピックは・・・疑うことなく、日本語詩の大胆な導入を決断したことによるバンドの方向性の大きなシフトだろう。

日本語詞の曲はアルバム中3曲とまだまだ大多数は英詞の曲ではあるんだけど、思わず頬を赤く染めながら「アァッ!! ヤマビィッ!!」と喘いでしまう程の殺傷力を持つ #5 "Everlasting" をはじめその見事にハマり過ぎなインパクトの強さは絶大で、逆に従前の英詞曲群に妙にイロモノっぽい違和感が生まれてしまうほど。(苦笑)

そして、その「違和感」は決して小さくはない。ワールドワイドなマインドを持つメタルヘッズにとって、これまでの作品で見せていたグローバルな姿勢は間違いなく自国の誇りとして胸を張れるものだっただけに、一転してそのメイン・ターゲットを Syu (g) の不定期クライングに毎日一喜一憂してみたりライヴで憧れの YUHKI 姫 (key) とのアイコンタクトに嬉々としちゃうようなニッチな“信者層”に絞ったかと妄信させられるようなローカルなジャパメタ臭が支配的な本作の雰囲気は、ちょいと気恥ずかしさを感じてしまう。。

が、一旦それに慣れてしまえば全ッ然無問題。YAMA-B (vo) の礼儀正しい人柄が滲む誠実歌唱(笑)がますます作り物っぽさを増していたり、ギターがソロ/リフ共にピッキング時の位相がタッチワウでもかかってるかのようにビャウビャウとメッチャ変な事になってたり、ヒロイックな勇壮さを減少させて広義の美旋律を目指すメロディの質が変化していたり・・・という気になるポイントはありつつも、佐藤 潤一 (dr) の生み出す心地良い手数に乗ってロマンティックなメランコリアが疾走する様には、やっぱりグッと来ちゃうのです。

 (Nov, 29, 2007)

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