Impressions

MOONLYGHT / Progressive Darkness (2004)

投稿日: 2004/08/20

カナダは Quebec 産シンフォニック・ゴシック・メタル・バンド MOONLYGHT のデビュー作。

男女シンガーの清濁交えた多彩な歌唱、そして笛/ヴァイオリン/フルート/アコーディオンなどのフォーキーな響きを武器にした大作主義の高密度な劇的サウンドは、耽美ゴシックの暗黒美やブラストが疾走するブラック・メタル風味も存在しつつも、陰陽を行き来する煌くメロディが壮麗に乱舞するその旋律重視な空気感は、普通に「シンフォニックなヘヴィ・メタル」と呼べる範疇だ。

プレイ・ボタンを押して即流れ出る #1 "Fantasy" の冒頭の、女声シンガー Jessica Bell 嬢(ゲスト扱い)による印象的なメロディがリードするクッサクサなドラマティック・イントロから瞬時に得られる即効性の高い悶絶感が最後まで持続するドラマティック・メタルの秀盤ながら、様々な要素を盛り込んだ結果メンバー間に場面場面でのプレイのポイントについて意外と大きな意識のずれがあるのでは?と深い読みしたくなるドタバタ感が生むアマチュア臭さが気になるのも確か。

まぁそんなC級感も、アルバム・タイトルどおりのプログレッシヴな息吹・・・それも辺境プログレに通じる独特の荒涼な味わいを抽出するのに有効に作用していると思い込めば、全然OKなんだけどね。(^^)

 (Aug. 21, 2004)

満足度 : 85
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