Impressions
ジャパニーズ・メタル史に「伝説の軍歌メタラー」としてその名を遺す BRAVE BOMBER を母体とする、ヲォーライク漢メトゥ 凱旋 MARCH の 1st フル=レンス・アルバム。
ダイナミックなリフ・ワークで大仰に邁進するミドル・テンポ主体ながら時折惜しげも無く疾走を見せる勇壮な楽曲こそ、堅実ではあれ決して独特のモノとまでは言えないが、そこに強面のシンガー Masatoshi Saitoh (斎藤 正寿) が堂々たる漢声で歌いあげる超個性的な日本語歌唱が載った瞬間に、この 凱旋 MARCH は孤高の輝きを放ち出す。
日常を闘いに擬(なぞら)えた勇ましさ満点の歌詞に込められているのは、漢の自尊心にダイレクトに訴えかけて戦意昂揚を誘う、まさに軍歌スピリットそのもの。歌詞を追っているうちに、自分が屈強かつ勇敢かつ戦士になったような錯覚に陥る・・・って凄いコトだぞコリャ。(笑) 共に歌いやすいパートも多く、ライヴ・ショウでのフロアの一体感たるや、きっと凄まじいんだろうなぁ。
端々で演奏がたどたどしさを露わにする場面もあるが、このバンドの場合はそれが不器用な無骨さを醸し出すという良い方向に作用してるので、まぁ気にはならないレベル。
この 凱旋 MARCH の魅力である「漢クサさ」ってば、あまりに極端なモノであるだけに、色物扱いされたり踏絵的な存在にされたりとかしなければイイなぁ・・・なーんて、ちょびっとだけ心配してみたり。
(Jul. 21, 2003)
満足度 : 80%