Impressions
FLESHGOD APOCALYPSE / King (2016)
イタリア産シンフォニック・デス・メタル・バンド FLESHGOD APOCALYPSE の4thアルバム。
壮麗なオーケストラル・サウンドと激ブルータルなアグレッションを奇跡のバランスで高密度にミックスさせることに成功した2011年リリースの2nd "Agony" に度肝を抜かれるも、続く3rd "Labyrinth" ではやや一本調子な内容に残念ながらリピート欲を削がされてしまっていた。が、今回は緩急のメリハリが良好に回復、暴虐に渦巻くそのテクニカル/エクストリーム・サウンドに気持ち好く浸ることができた。
基本のスタイル自体はこれまでと特に変化なくも、本作ではスピードのバリエーションと絶妙なメロディ配置を武器にアンサンブルが印象的に強化され、それがそれぞれの楽曲を個性的かつ魅力的に輝かせている。中でも、まさに FLESHGOD APOCALYPSE というバンドを具現化したかの #2 "In Aeternum"、そして毎作ゲストとして素晴らしいソプラノを披露している Veronica Bordacchini 嬢をフィーチュアした #5 "Cold as Perfection" は白眉の出来だ。
そしてやはり今回も耳が釘付けになるのが Cristiano Trionfera (g) の超ナイスなネオ=クラシカル・プレイ。たぶん今のイタリア勢の中ではテクニック、センスともにNo.1なんじゃないかな? 極端な話、自分的には彼のギター・プレイの存在がこの FLESHGOD APOCALYPSE の魅力の80%を占めてたりします。(笑)
初回限定盤に付属のボーナスCDは、各曲のシンフォニー・パートだけを抜粋したオーケストラ・バージョン。それだけで曲として成立してることに驚かされるが・・・まぁこっちは一回だけ聴けばいいかな。(^^;