米ジョージア出身のメロディック・パワー・メタル・バンド THEOCRACY の2ndアルバムは、中心人物 Matt Smith (vo,g) が一人で全てパートを手がけたプロジェクト作だったデビュー・アルバムのリリース後に各パートのメンバーを補充し、バンド体制で制作された一枚。

HELLOWEEN～GAMMA RAY に北欧の透明感をプラスしたようなクリアな疾走感に包まれた楽曲は、明快な歌声と安定した技量に裏付けられた整合感溢れる演奏によって高い完成度を誇っている。

しかしながら、米産バンドとはにわかに信じ難い「優等生メタル」的な肉感的圧力の薄さがメタル・バンドとしてのエキサイトメントを削いでしまっているのは大きなマイナス・ポイント。22分に及ぶ超大作となったタイトル・トラック #8 "Mirror of Souls" を、ダレることなく本作のハイライトとして上手くまとめ上げるセンスをもっているだけに、その点だけがちょいと残念だ。

　(May, 13, 2009)