Impressions
SPIRITUAL BEGGARS / On Fire (2002)
Spice (Vo, B) が脱退、代わりに GRAND MAGUS のシンガー JB と THE QUILL, FIREBIRD のベーシスト Roger Nilsson の2人を迎え、まさに「スウェディッシュ・ヘヴィ・ロック・オールスターズ」とも言える強力な布陣となった SPIRITUAL BEGGARS 渾身の 5th アルバム。
本作も Michael Amott のエモーショナルな叙情ギター、Per Wiberg の味のあるオルガン、そして Ludwig Witt の極上にスウィングするドラムがグルーヴ感満点のヘヴィ・ロックの中で鳴り響くこれまで通りの SPIRITUAL BEGGARS の魅力を伝えるものだが、その他に新しい要素がさらに新鮮な魅力を運んできている。それは本作の最大のトピックである新シンガー JB の歌唱だ。その歌声はとにかく強力の一言。
JB のその David Coverdale 風味のソウルフルな極上歌唱は、キャッチーなマイナー・メロディが美味しい腰の据わったヘヴィ・チューン #3 "Killing Time"、メロウなアコースティック・インスト #7 "Fejee Mermaid" に導かれる DEEP PURPLE 的なダイナミックさに萌え萌えな #8 "Dance of the Dragon King"(曲名もいいね!/苦笑)、煙の中をブルージーに浮遊するソロ・パートが心地良い #10 "The Lunatic Fringe"、Michael Amott が本領発揮の泣きのフレーズが炸裂する #11 "Look Back"、そして MOUNTAIN のカヴァーで Rhodes の響きがたまんない哀愁佳曲 #13 "Blood of the Sun"・・・と粒揃いのオールド・テイストなヘヴィ・ロックのその立ち位置を数ステップ上段に引き上げているのでは?とさえ思わせる程に聴き応えあり。
ただ、前作までにたっぷりと封入されていたサイケデリックかつドゥーミーなアンダー・グラウンドならではの暗黒臭がグーンと薄まっちゃったように感じるのは事実で、その点についてはちょいと残念かな。充分に楽しめはしてるんからいいんだけどさ。