Impressions

THUNDERSTONE / Thunderstone (2002)

投稿日: 2002/06/20

フィンランド産メロディック・パワーの超新星 THUNDERSTONE の記念すべきデビュー・アルバム。

楽曲を構成する各フレーズ、歌メロ、シンガーの醸し出す雰囲気、プロダクションの響き具合、そして残響の隙間から漂ってくる空気の温度まで、すべてが祖国の英雄 STRATOVARIUS"Infinity" アルバムを連想させる「超々 STRATOVARIUS タイプ」。・・・で、それが何か?(笑) 

中庸なドライヴィングが心地良いオープニング・チューン #1 "Let the Demons Free"、悶絶必至のファスト・チューン #4 "Me, My Enemy"、エンディングの「落ち」に激泣きを誘われる本家 Timo Tolki が参加した疾走チューン #8 "Like Father, Like Son" を始めクールなミドル・チューンからドラマティックなバラードまで取り揃った恐るべき完成度の楽曲が、STRATOVARIUS の洗練された安定と SONATA ARCTICA の蒼く疾走する勢いのちょうど中間あたりの絶妙なゾーンで、Nino Laurenne (g), Kari Tornack (key) がバトリながらも一歩退いた視点で自分たちをしっかりと見据えた落ち着きある知的なプレイで堂々と鳴り渡る様は、コレがデビュー盤という事実を抜きにしても驚異の一言。

でも、なんつってもオレの心を捉えたのは、シンガー Pasi Rantanen の歌声なんだな、これが。その Timo Kotipelto を意識した歌唱は、最初はややヘナチョコかと感じたものの、聴き進めるうちにハイ・トーンからロウ・ヴォイスまで実に多彩な表現を巧みにスイッチしながら表現される彼ならではの激情&叙情の吐露に魅了され、聴き終える頃には決して激ウマなタイプではないにも関わらず、スッカリ「いいシンガーだな~」って感心しちゃったりして。

タタキの「メロディック・パワー・メタルの明日を担う若き精鋭」ってのは決して大袈裟じゃないかもよ。

フィンランド・・・恐るべし!!

満足度 : 88
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