Impressions
フランス産シンフォニック・メタル・バンド KARELIA の、昨年から延期に延期を重ねた末にやっと本邦リリースとなったデビュー・アルバム。
シンガー Matthieu Kleiber による、朗々たるテノールと XaMetalic なヘナチョコ・ハイ=トーンを器用にスイッチさせるオペラティックな歌唱が微妙な違和感を呼び寄せつつ、全体を包み込む豪勢極まりないオーケストレーションと過剰なほどに壮麗なクワイアの殺傷力の高さは圧倒的で、その前には一聴してグイグイと引き込まれざるを得ない。
その楽曲のスタイルが、疾走はソコソコに細部のアレンジにまでこだわって丁寧に組み上げられたものであることから、頭に浮かんだのは「男声版 NIGHTWISH」という喩え。考えてみれば Matthieu のテノール・ヴォイスに違和感を感じたのも、メンバーに元 HEAVENLY の Chris Savourey (g) がいた(すでに脱退済)という情報から勝手に邪推した「KARELIA=メロスピ」という先入観のせいであるというのが遠因の一つだろうが、繰り返し聴くうちに NIGHTWISH の名が連想されるようになってからはあまり気にならなくなってきてみたり。
ま、個々の楽曲自体はイマイチ決め手に欠けるややマターリ気味なものにも関わらず、全体的な雰囲気の良さが欠点を包み隠して結果的には満足感を運んできている・・・っちゅータイプですわ。
(Jan. 26, 2004)
満足度 : 82%