Impressions
HUGHES TURNER PROJECT / Hughes Turner Project (2002)
歌神 Glenn Hughes とゴールデン・ボーイ Joe Lynn Turner という2大シンガーのコラボレートが実現した驚きの一枚は、この2人の接点が DEEP PURPLE であることにある種の期待をするファンを意識した作風。
とはいえその楽曲群は、それぞれが在籍していた時期の DEEP PURPLE(や RAINBOW)の色合いを微妙に模してはいるものの、基本型はそれぞれのソロアルバムに入っていてもおかしくはないドライで骨太なオールド・ハード・ロック。
たぶんご両人が相当に意識して導入したであろう「DEEP PURPLE(や RAINBOW)っぽさ」が、主には演奏スタイルや全体の音像に影響しているに留まっている・・・という事実は、彼らがそれらのバンドに在籍していた時の立ち位置を冷静に考えた時の彼らとバンドの距離感を改めて認識させる。
・・・と、Ritche Blackmore 信者的な視点からの DEEP PURPLE / RAINBOW フレーヴァーの希薄さにやや残念がりながらも、この内容はなかなか魅力的。って、Glenn Hughes と Joe Lynn Turner が組んず解れずで素晴らしい歌唱合戦を披露しているんだからそりゃ当然だわさ。楽曲的にも腰に来るソフト・ファンキーなグルーヴが意外にも心地よい "Sister Midnight" が一番のお気に入りだったりして。
ゲスト・ギタリストの充実も聴き物で、凄味のあるファスト・プレイを決める Paul Gilbert、豊かなヴィヴラートのロングトーン一発で場を自分色に染め上げる John Sykes、そして珍しくこれでもかと弾きまくる Akira Kajiyama とそれぞれの独特のプレイが楽しめるのもいいね。レギュラー・ギタリストの J.J. Marsh のそれらに決して負けていないナイス・プレイも見事!