Impressions
やべー、こ、こりゃチョーかっこいいわ! ってことで、本作がデビュー作となる南米ブラジルから登場した新鋭 HIBRIA は LOST HORIZON に続く新たなメタル・ヒーローにケテーイ。
80年代風味とも言える原始的なパワー感に90年代的なモダンな音圧と現代欧州メロディック・メタルの愁い&テクニックをしっかりと滲ませたギター・オリエンテッドな楽曲は、現在の剛健路線の NOCTURNAL RITES と我らがメタル・メサイア LOST HORIZON をミックスしたかのドラマティックな展開を持った骨太なメロディック・パワー・メタル路線で、硬派な漢汁を振り撒きながらドカドカと大胆に疾走しまくるこの直球ド真ん中の剛健ヘヴィ・メタルったら、血が燃え滾リ過ぎて蒸発してしまうことを心配してしまいそうになるほどにとにかく激熱。
Diego Kasper & Abel Camargo のギター・チームに Marco Panichi (b) までもが絡んで驚きの超安定レベルで弾きまくる超テクニカルな悶絶ネオ=クラシカル・プレイがもたらす良質のメロディック・スリルが表層を彩りつつも、楽曲を支配するのはやはり圧倒的な歌唱力を誇る逸材シンガー Iuri Sanson (vo) の凄絶なるメロディック歌唱だろうな。
イントロダクションに続く #2 "Steel Lord on Wheels" で曲がヴォーカル・パートに入った瞬間に完全に全権を掌握されたそのワイド・レンジに響き渡る強靭な歌唱は、Daniel Heiman をはじめ、Steve Grimmett, Michael Vescera そして Rob Rock らの名だたる強者らの名を思い起こさせるが、イ行からア行に位相をトレブリーに変化させながら鼻に抜けて行く感触とその歌声が綴るキャッチーなメロディの質感のマッチングの懐かしさが My 脳裏に浮かべたその名は・・・元 SABER TIGER の歌姫 久保田陽子!(汗)
そう思いながら聴くと、この華麗なる実直メタルの佇まいは綿密に構築された悶絶ギター・ソロといい "Timystery" 以前の SABER TIGER っぽさ満点じゃん。ってことで初期 SABER TIGER フォロワーにも決定。(笑)
本作ではまだ同系統のハイ・エナジーな疾走チューンにやや偏り気味だけど、#6 "Living Under Ice" のような叙情的なミドル・チューンを魅力的に聴かせる事が出来るだけに、次作ではそのあたりにも期待ッス♪
(Nov. 13, 2004)